動物もどき (Animagus)
基本情報
動物もどき (アニマ―ガス、Animagus) とは、自らの意志で特定の動物に姿を変えることができる魔法使いのこと、およびその能力自体を指す魔法です。これは極めて高度で複雑な変身術の一分野であり、多大な才能と修練を必要とします。
歴史と既知の使用者
動物もどきの技術を習得することは非常に困難であるため、歴史を通じてその数は極めて少ないです。魔法省は20世紀に公式な登録制度を設けましたが、多くの動物もどきが様々な理由で未登録のまま活動していました。 作中で言及された主要な動物もどきは以下の通りです。
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- 動物の姿: ぶちの猫。目の周りに彼女の眼鏡とそっくりの四角い模様がある。
- 登録状況: 登録済み。
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- 動物の姿: 雄鹿(Stag)。彼の守護霊 (Patronus) と同じ姿。
- 登録状況: 未登録。
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- 動物の姿: 熊のように大きな黒い犬。
- 登録状況: 未登録。
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- 動物の姿: ネズミ。
- 登録状況: 未登録。
- 用途: 自身の死を偽装し、ウィーズリー家のペット「スキャバーズ」として12年間潜伏するため。あだ名は「ワームテール」。
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- 動物の姿: 甲虫(Beetle)。触覚の周りに彼女の眼鏡に似た模様がある。
- 登録状況: 未登録。
- 用途: 他人に気づかれずに情報を盗み聞きし、ゴシップ記事を書くための違法なスパイ活動。
習得方法と対抗策
習得方法 (Acquisition) 動物もどきになるためのプロセスは極めて長く、複雑で危険を伴います。一つでも手順を誤ると、半人半獣の姿で永久に固定されてしまうなど、悲惨な結果を招く可能性があります。(Pottermore)
- 1ヶ月間、口の中にマンドレイクの葉を入れ続ける。
- 満月の光を浴びたその葉を、小瓶の中で人間の唾液や露などと共に特定の調合薬に浸す。
- 雷を伴う嵐が来るまで、毎日日の出と日没に呪文「Amato Animo Animato Animagus」を唱えながら杖の先を心臓に当てる。
- 嵐が来た際に、調合薬を飲むことで変身が完了する。
法的規制 (Legal Regulation) 魔法省は、動物もどきに対して「動物もどき登録簿」への登録を法律で義務付けています。登録簿には、変身する動物の種類と、その動物が持つ特徴的な目印を記録しなければなりません。
- この法律を破り、未登録のまま能力を行使することは重大な犯罪であり、アズカバンへの収監という厳しい罰則が科せられます。
対抗策 (Countermeasures) 動物もどきは動物の姿をしていても、魔法的には人間として認識されます。
名前の語源
Animagus という言葉は、ラテン語の animal(動物、生命を持つ存在)と magus(賢者、魔法使い)を組み合わせた造語です。これは「動物の魔法使い」という能力の本質を的確に表しています。
幕後情報
- 動物もどきの姿とその人物の守護霊の姿は、必ずしも一致するわけではありませんが、ジェームズ・ポッター(雄鹿)やミネルバ・マクゴナガル(猫)のように、両者が同じ動物になることがあります。これは、どちらもその人物の最も深い内面を反映しているためと考えられます。