闇の魔術に対する防衛術

闇の魔術に対する防衛術 (Defence Against the Dark Arts) は、ホグワーツ魔法魔術学校 の必修科目の一つである。この授業の目的は、生徒たちに闇の魔術闇の生物、そして闇の魔術師から身を守るための実践的および理論的な魔法知識を教えることである。この科目は、ヴォルデモート卿の台頭と彼の復活に伴い、物語全体を通じて極めて重要な役割を果たした。 特に、トム・マールヴォロ・リドルアルバス・ダンブルドアにこの科目の教授職を二度断られて以来、このポジションには強力な呪いがかけられ、どの教師も一年以上務めることができなかったことで知られている。

闇の魔術に対する防衛術のカリキュラムは、担当教授の専門分野や、その時々の魔法界の情勢によって大きく変動する。

トム・マールヴォロ・リドルが教授職を拒否されて以来、闇の魔術に対する防衛術の教師は誰一人として一年以上その職に留まることができなかった。この呪いはヴォルデモート卿の死によって解かれたとされる (J.K. Rowling interview)。 ハリー・ポッター在学中の教授とその末路は以下の通りである。

  1. 1991-1992年: クィリナス・クィレル - ヴォルデモート卿を後頭部に宿していたが、ハリーを守るリリー・ポッターの愛の魔法によって死亡した。
  2. 1992-1993年: ギルデロイ・ロックハート - 自身の記憶呪文がロン・ウィーズリーの壊れたによって逆噴射し、聖マンゴ魔法疾患傷害病院に永久入院となった。
  3. 1993-1994年: リーマス・ルーピン - 自身が狼人間 (ウェアウルフ) であることをセブルス・スネイプに暴露され、保護者たちの抗議を予期して辞任した。
  4. 1994-1995年: アラスター・ムーディ (正体はポリジュース薬で変身したバーテミウス・クラウチ・ジュニア) - 正体を暴かれ、吸魂鬼の接吻を受けた。
  5. 1995-1996年: ドローレス・アンブリッジ - 禁じられた森ケンタウルスの群れに連れ去られ、後にダンブルドアによって救出されたが職を解かれた。
  6. 1996-1997年: セブルス・スネイプ - 念願の職に就いたが、学年末にダンブルドアを殺害し、ホグワーツから逃亡した。
  7. 1997-1998年: アミカス・カロー - ホグワーツの戦いで敗北し、捕縛された。

この科目は、物語の進行と密接に関わっている。毎年代わる新しい教授は、その年の中心的な謎や対立のきっかけとなる。また、ハリーたちが直面する脅威に対抗するための実践的なスキルを学ぶ場であり、彼らの成長に不可欠な要素である。特に、アンブリッジへの反発から生まれたダンブルドア軍団は、生徒たちの自主性と友情を育み、来るべき戦いへの重要な布石となった。

  • ヴォルデモート卿が呪いをかける以前、この科目は安定した科目であった。例えば、アルバス・ダンブルドア変身術の教授になる前、この科目を教えていた時期がある。
  • また、トム・リドルが就任を希望した際の前任者であるガラテア・メリーソートは、50年間この職を務めていた。
  • J.K. ローリングはインタビューで、ヴォルデモート卿の死後、この呪いは解け、恒久的な教授(名前は明かされていない)が就任したと語っている (J.K. Rowling interview)。