闇の魔術に対する防衛術
概要
闇の魔術に対する防衛術 (Defence Against the Dark Arts) は、ホグワーツ魔法魔術学校 の必修科目の一つである。この授業の目的は、生徒たちに闇の魔術、闇の生物、そして闇の魔術師から身を守るための実践的および理論的な魔法知識を教えることである。この科目は、ヴォルデモート卿の台頭と彼の復活に伴い、物語全体を通じて極めて重要な役割を果たした。 特に、トム・マールヴォロ・リドルがアルバス・ダンブルドアにこの科目の教授職を二度断られて以来、このポジションには強力な呪いがかけられ、どの教師も一年以上務めることができなかったことで知られている。
授業内容
闇の魔術に対する防衛術のカリキュラムは、担当教授の専門分野や、その時々の魔法界の情勢によって大きく変動する。
- 二年生: ギルデロイ・ロックハート教授の授業は、彼自身の著書に基づいた自画自賛の内容に終始し、実践的な防衛術はほとんど教えられなかった。コーニッシュ・ピクシーの騒動がその一例である。
- 五年生: 魔法省から派遣されたドローレス・アンブリッジ教授は、実践的な魔法の使用を一切禁じ、闇の魔術の防衛術・基礎 という教科書を読むだけの理論中心の授業を行った。これに対抗するため、ハリーたちは秘密裏にダンブルドア軍団を結成し、自主的に防衛術を学んだ。
教授職の呪い
トム・マールヴォロ・リドルが教授職を拒否されて以来、闇の魔術に対する防衛術の教師は誰一人として一年以上その職に留まることができなかった。この呪いはヴォルデモート卿の死によって解かれたとされる (J.K. Rowling interview)。 ハリー・ポッター在学中の教授とその末路は以下の通りである。
- 1991-1992年: クィリナス・クィレル - ヴォルデモート卿を後頭部に宿していたが、ハリーを守るリリー・ポッターの愛の魔法によって死亡した。
- 1996-1997年: セブルス・スネイプ - 念願の職に就いたが、学年末にダンブルドアを殺害し、ホグワーツから逃亡した。
物語における重要性
この科目は、物語の進行と密接に関わっている。毎年代わる新しい教授は、その年の中心的な謎や対立のきっかけとなる。また、ハリーたちが直面する脅威に対抗するための実践的なスキルを学ぶ場であり、彼らの成長に不可欠な要素である。特に、アンブリッジへの反発から生まれたダンブルドア軍団は、生徒たちの自主性と友情を育み、来るべき戦いへの重要な布石となった。
幕後情報
- また、トム・リドルが就任を希望した際の前任者であるガラテア・メリーソートは、50年間この職を務めていた。
- J.K. ローリングはインタビューで、ヴォルデモート卿の死後、この呪いは解け、恒久的な教授(名前は明かされていない)が就任したと語っている (J.K. Rowling interview)。