ポリジュース薬
基本情報
記述と外観
変身したい人物の一部(通常は髪の毛)を入れる前のポリジュース薬は、濃い泥のような見た目をしている。色は濁った茶色で、表面では気泡がゆっくりと弾けている。 変身対象の体の一部を加えると、薬の色や味、匂いはその人物に応じて変化する。例えば、ハリーとロンがビンセント・クラッブとグレゴリー・ゴイルの髪を入れた際には、それぞれカーキ色とくすんだオリーブグリーンに変わり、味は鼻くそ味や煮込みすぎたキャベツのようだと描写されている。
魔法特性と用途
ポリジュース薬は、服用した者を一時的に別人の姿そっくりに変身させる非常に高度なポーションである。
- 効果: 飲むと、声を含む身体的特徴のすべてが変身対象の人物と同一になる。ただし、知識や魔法の能力、記憶までは複製されない。
- 持続時間: 効果は厳密に1時間である。変身を維持するためには、定期的に薬を飲み続ける必要がある。
- 材料: 製造には約1ヶ月を要し、以下の材料が必要となる。
- 制限と副作用:
- この薬は人間への変身にのみ使用が意図されている。動物の体の一部を使って変身しようとすると、不完全で苦痛を伴う獣人のような姿になり、元に戻すのが困難になる。これは、ハーマイオニー・グレンジャーが誤って猫の毛を使用してしまった際に実証された。
- 半巨人のような人間以外の血を引く存在への変身には使用できない。(Pottermore)
歴史
ポリジュース薬の製法は、ホグワーツ図書館の禁書の棚に所蔵されている上級ポーションという本に記載されている。その複雑さと悪用の可能性から、製造には高度な魔法薬学の知識が要求され、一般の生徒が学ぶことはない。
物語における役割
ポリジュース薬は、物語全体を通して欺瞞、潜入、保護のための重要な道具として何度も登場する。
- ハリー・ポッターと秘密の部屋: ハリー、ロン、ハーマイオニーが、スリザリンの継承者に関する情報を得るためにスリザリンの談話室へ潜入する目的で製造・使用した。これは作中でポリジュース薬が最も詳細に描写された場面である。
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- グリンゴッツ侵入: ハーマイオニーがベラトリックス・レストレンジの姿に変身し、彼女の金庫へ侵入するために使用された。
舞台裏情報
- 映画版では、ポリジュース薬による変身プロセスが、原作の「溶けて泡立つような感覚」という内的な描写よりも、視覚的に劇的なモーフィング効果で表現されている。(映画設定)
- 薬の効果が切れる際の描写も映画版では独自に加えられており、変身が解ける過程で本来の姿と変身後の姿が混じり合う様子が描かれている。(映画設定)