禁書の棚

禁書の棚は、ホグワーツ魔法魔術学校図書室の最も奥まった一角に存在する、特別な書架セクションである。この区画は一般の生徒が自由に立ち入ることはできず、太い縄で仕切られ、常に施錠されている。ここに収められている書物は、未熟な魔法使いが扱うにはあまりにも危険と見なされる闇の魔術、複雑な魔法薬、その他の強力な呪文に関する内容を含んでいる。 この区画の書物には、それ自体に魔法がかけられているものも多い。例えば、不用意に開くと甲高い叫び声をあげる本や、読者に奇妙な影響を与える本が存在する。そのため、多くの本は鎖で書架に繋がれている(映画設定)。 禁書の棚の正確な設立時期は不明だが、ホグワーツの創設初期から、生徒を危険な知識から守るために存在していたと推測される。アルバス・ダンブルドアが校長だった時代には、分霊箱 (ホークラックス) に関する書物は、その危険性の高さからすべてこの棚から撤去されていた。

禁書の棚は、物語を通じてハリー・ポッターたちが重要な情報を得るための鍵となる場所として、繰り返し登場する。

  • 強力無比の調合薬 (Moste Potente Potions): ポリジュース薬を含む、極めて強力な魔法薬の調合法が記された書物。
  • 極悪魔法の数々 (Magick Moste Evile): 分霊箱の作成方法など、最も邪悪とされる闇の魔術について詳述した本。
  • 書名不明の叫ぶ本: 開くと大音量で叫び声をあげる本。
  • 禁書の棚という概念は、現実世界の図書館、特に歴史ある大学図書館や古文書館に存在する「貴重書庫」や「閲覧制限資料室」に相当する。これらは、希少性、価値、あるいは内容の機密性から、一般の利用者のアクセスが制限されている。
  • 映画版では、禁書の棚はより不気味で危険な場所として視覚的に強調されている。本が物理的に鎖で繋がれていたり、ひとりでに動いたりする描写は、原作にはない映画独自の演出である。(映画設定)