決闘クラブ

決闘クラブは、秘密の部屋が何者かによって開けられ、ミセス・ノリスコリン・クリービーが襲撃された事件を受け、ギルデロイ・ロックハート教授の提案で設立されました。彼の公称上の目的は、生徒たちが自らを守るための決闘術を学ぶ機会を提供することでしたが、実際には彼自身の人気取りと自己顕示の場として利用する意図が強かったと考えられます。 クラブの活動は、大広間のテーブルをすべて消し、黄金のステージを設置して行われました。最初の(そして唯一となった)会合では、ロックハートが「しぶしぶ手伝いを引き受けた」というセブルス・スネイプ教授をアシスタントとして指名し、模範試合を行いました。この試合で、スネイプは即座にエクスペリアームス(武装解除呪文)を使い、ロックハートを派手に吹き飛ばして実力差を見せつけました。 その後、生徒たちがペアで練習を行いましたが、場はすぐに制御不能の混乱状態に陥りました。

決闘クラブが物語に与えた最も重要な影響は、ハリー・ポッタードラコ・マルフォイの対決を通じて、ハリーがパーセルマウス(蛇語を話す者)であることが全校生徒の前で暴露された点にあります。 対決の最中、マルフォイサーペンソーティアの呪文を使い、一匹の蛇を出現させました。蛇がハッフルパフ生のジャスティン・フィンチ=フレッチリーに襲いかかろうとした瞬間、ハリーは無意識のうちにパーセルタング(蛇語)で蛇に攻撃をやめるよう命じました。しかし、他の生徒たちにはハリーが蛇をけしかけているようにしか聞こえず、この事件をきっかけに、彼はスリザリンの継承者ではないかという疑いをかけられることになります。この疑念は、ハリーが学校内で孤立を深める大きな原因となりました。 また、このクラブはハリーが後に彼の代名詞となる呪文、エクスペリアームスを初めて目撃する機会ともなりました。 結局、この一度きりの会合の大混乱と、ハリーのパーセルタング事件が引き起こした波紋により、決闘クラブが再び開かれることはありませんでした。

  • 映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、この決闘クラブのシーンが視覚的に印象強く描かれ、特にハリー・ポッターパーセルタングを話す場面は、彼の特異な能力を観客に示す重要なシーンとして演出されています。(映画版)