バジリスクの牙

バジリスクの牙

バジリスクの牙は、秘密の部屋に棲む巨大なバジリスクの長く湾曲した牙です。その色は真珠のように白く、表面はきらめいており、先端は剣のように鋭利です。牙の内部には、極めて強力で致死性の高いバジリスクの毒が含まれています。 牙の硬度は非常に高く、バジリスク自身の頑丈な皮さえも貫通することができます。物語の後半では、ホグワーツの戦いの際に秘密の部屋に残されたバジリスクの骸骨から、複数の牙が回収されました。

バジリスクの牙が持つ最も重要な魔法特性は、その内部に含まれる毒に由来します。

  • バジリスクの毒: この毒は魔法界で知られる限り最も危険な物質の一つであり、ほんの一滴でも数分以内に死に至らしめます。唯一知られている解毒剤は不死鳥の涙のみです。
  • 魂器の破壊: バジリスクの毒は、魂器を破壊できる数少ない物質の一つです。魂器を破壊するためには、その器を「魔法的に修復不可能なほど」に破壊する必要があり、この毒はその条件を満たす強力な破壊力を持っています。毒が染み込んだ牙で魂器を突き刺すと、器に宿る魂の欠片もろとも完全に消滅させることができます。
  • 武器として: 牙自体が鋭利な武器として機能し、毒の存在によってその危険性はさらに増大します。

バジリスクの牙は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人であるサラザール・スリザリン秘密の部屋に残したバジリスクに由来します。

バジリスクの牙は、ヴォルデモート卿の不死性の根源である魂器を破壊するための重要な手段として、物語全体で極めて重要な役割を果たします。 ハリーが2年目にトム・リドルの日記を破壊した行為は、後の魂器探しの旅の礎を築きました。また、この牙の存在があったからこそ、グリフィンドールの剣を失った後でも、ロンとハーマイオニーは自力で魂器を破壊することができました。それは、過去の出来事や経験が未来の困難を乗り越えるための鍵となることを象徴しています。

  • 映画版『ハリー・ポッターと秘密の部屋』および『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』では、原作に忠実に、バジリスクの牙が魂器を破壊するシーンが描かれています。特に『死の秘宝 PART2』では、秘密の部屋のセットでバジリスクの巨大な骸骨が印象的にデザインされています。(映画設定)