ガーゴイル
概要
ガーゴイル (Gargoyle) は、魔法界において主として建築物の装飾や番人として用いられる、魔法をかけられた石像である。魔法によって生命を吹き込まれており、限定的ながら自律的な行動や会話が可能だが、ニュート・スキャマンダーの著作である『幻の動物とその生息地』には分類されていない、魔法生物とは異なる存在である。 最も著名なガーゴイルは、ホグワーツ魔法魔術学校の校長室への入り口を守る石像であり、正しい合言葉を告げた者のみを通す役割を担っている。
描写と特徴
- 外見: ガーゴイルは、一般的に醜く、威圧的な姿をした石の彫像として描写される。そのデザインは、マグル界のゴシック建築に見られる伝統的なガーゴイルと同様、グロテスクな生物や悪魔を模していることが多い。
- 性質:
- ガーゴイルは魔法によって動く物体であり、知性や感情を持っているわけではないが、与えられた命令を忠実に実行する。
- この番人は、正当な校長(または校長が許可した人物)を認識する強力な魔法に束縛されている。例えば、魔法省によって不当に校長の座に就いたドローレス・アンブリッジが校長室へ入ろうとした際には、合言葉を知っていたにもかかわらず、その侵入を断固として拒否した。
物語における役割
ガーゴイルは、物語の中で主にホグワーツの重要な場所を守る番人として登場する。
- 校長室の番人:
- 螺旋階段へと続く校長室の入り口を守っており、訪問者はこのガーゴイルに正しい合言葉を伝えなければならない。合言葉を告げると、ガーゴイルは脇へ飛びのき、壁が開いて通路が現れる。
- 作中で使用された合言葉は、アルバス・ダンブルドアの好物であるお菓子にちなんだものがほとんどである。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: ハリーが「ゴキブリ・ゴソゴソ豆」を使用した。
- ハリー・ポッターと謎のプリンス: ハリーが「タフィー・エクレア」を使用した。
- ハリー・ポッターと死の秘宝の終盤、ヴォルデモートが敗れた後、ハリーが校長室を訪れた際には、合言葉なしで彼を中へ通した。これは、ハリーがニワトコの杖の正当な所有者となったことを、城そのものが認識したためと考えられる。
- 建築装飾:
舞台裏情報
- 語源: ガーゴイルという言葉は、古フランス語の gargouille(「喉」の意)に由来する。これは、元々多くのガーゴイルが雨水を排出する樋(とい)の役割を果たしていたことに起因する。
- 映画での描写: 映画シリーズでは、校長室の番人であるガーゴイルは、巨大なグリフィンのような石像として描かれている。合言葉を告げると、像全体がらせん状に回転・変形し、階段が現れるという、よりダイナミックな演出がなされている。(映画設定)
- ゲームでの登場: 一部のビデオゲーム作品では、ガーゴイルが自律的に動き、敵としてプレイヤーに襲い掛かってくる魔法生物として登場することがある。(ゲーム設定)