ハリー・ポッターと謎のプリンス (Harry Potter and the Half-Blood Prince)
基本情報
- 書名 (Title): Harry Potter and the Half-Blood Prince
- 日本語版書名 (Japanese Title): ハリー・ポッターと謎のプリンス
- 著者 (Author): J.K. Rowling
- シリーズ (Series): ハリー・ポッターシリーズ第6巻
- 英国初版発行日 (Original UK Publication Date): 2005年7月16日
- 献辞 (Dedication): 「私の美しい娘、マッケンジーへ、このインクと紙の双子はあなたのものです」 (To my beautiful daughter, Mackenzie, this book is your ink-and-paper twin.)
プロット概要
物語は、ヴォルデモート卿の復活が魔法界とマグル界双方に暗い影を落とす中で始まる。ハリー・ポッターはホグワーツ魔法魔術学校での6年目を迎え、校長のアルバス・ダンブルドアから個人授業を受けることになる。その授業は、憂いの篩を使ってヴォルデモート卿の過去、特に彼の魂を不死にするための禁断の魔法「ホークラックス」の秘密を探るものだった。 一方、ハリーは魔法薬学の授業で、かつての所有者「混血のプリンス」による書き込みがびっしりと残された古い教科書を手に入れる。その教科書の助けで、ハリーは魔法薬学で天才的な才能を発揮するが、プリンスが記した危険な闇の呪文にも魅了されていく。同時に、ハリーはライバルであるドラコ・マルフォイがヴォルデモート卿から与えられた何らかの任務を遂行しようと秘密裏に動いていることを疑う。 物語のクライマックスで、ハリーとダンブルドアはホークラックスの一つを破壊するために危険な洞窟へと旅立つ。しかし、ホグワーツに戻った彼らを待っていたのは死喰い人の襲撃と、衝撃的な裏切りだった。この巻は、来るべき最終決戦に向けて物語が決定的に暗転する重要な転換点となる。
物語における主要な出来事
明かされた重要な情報と設定
- ホークラックス (Horcrux): ヴォルデモート卿が魂を分割し、不死性を得るために作り出した魔法の道具。この巻でその概念、作り方、そして既知のホークラックス(トム・リドルの日記、マールヴォロ・ゴーントの指輪)が詳しく説明される。
- フェリックス・フェリシス (Felix Felicis): 「幸運の液体」と呼ばれる、飲む者に一時的に幸運をもたらす魔法薬。
登場する新キャラクター
- フェンリール・グレイバック (本格的に登場)
- メローピー・ゴーント (記憶の中で)
- マールヴォロ・ゴーント (記憶の中で)
- モーフィン・ゴーント (記憶の中で)
- ナルシッサ・マルフォイ (役割が大幅に増加)
- ラベンダー・ブラウン (役割が大幅に増加)
幕後情報
- 作者のJ.K. Rowlingはインタビューで、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』というタイトルは、かつてシリーズ第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のタイトル候補の一つだったと明かしている。(J.K. Rowling 談)
- 映画版では、ヴォルデモート卿の過去に関する記憶の多くが省略されており、特に彼の母メローピー・ゴーントの物語や、ホークラックスを作るためにヘプジバ・スミスからハッフルパフのカップとスリザリンのロケットを盗む場面などがカットされている。(映画設定)