ジネブラ・モリー・ウィーズリー

ジネブラ・モリー・ウィーズリー(Ginevra Molly Weasley)、通称ジニー(Ginny)は、ウィーズリー家に生まれた純血の魔女であり、アーサー・ウィーズリーモリー・ウィーズリーの7番目の子供にして唯一の娘である。彼女はホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属し、ハリー・ポッターと同世代の学生である。物語の初期ではハリー・ポッターに憧れる内気な少女として描かれるが、次第に才能豊かで勇敢な魔女へと成長し、ダンブルドア軍団の中心メンバーの一人となる。第二次魔法戦争ではホグワーツの戦いに参戦し、最終的にハリー・ポッターと結婚した。

ジニーは1981年8月11日に生まれ、隠れ穴で6人の兄たちと共に育った。ウィーズリー家で数世代ぶりに生まれた女の子であり、幼い頃からホグワーツへ行くことを熱望していた。兄たちのクィディッチ用の箒をこっそり持ち出して、幼い頃から飛行術を練習していたことが後に明かされている。

ジニーは1992年にホグワーツに入学し、グリフィンドール寮に組分けされた。しかし、ルシウス・マルフォイによって彼女の所持品に紛れ込まされたトム・リドルの日記の魔力に操られてしまう。彼女はヴォルデモート卿の若き日の記憶であるトム・マールヴォロ・リドルに操られ、秘密の部屋を開き、バジリスクを解放してしまった。最終的に、日記に自身の生命力を吸い取られて衰弱するが、ハリー・ポッターによって救出された。

この時期、ジニーは物語の背景的な存在となる。3年目のクリスマスにはネビル・ロングボトムと共に聖夜のダンスパーティー(Yule Ball)に参加した。彼女の性格は徐々に快活になり、ハリー・ポッターの前でも自然体でいられるようになっていく。

ドローレス・アンブリッジの支配に対抗するため、ハリー・ポッターが結成したダンブルドア軍団に参加。ここで彼女の優れた魔法の才能、特に強力なコウモリ鼻くそ呪いが注目される。学年末には、ハリー、ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーネビル・ロングボトムルーナ・ラブグッドと共に神秘部の戦いに駆けつけ、死喰い人と勇敢に戦った。

ジニーはグリフィンドールクィディッチチームでチェイサーとして正式に選出され、その実力を発揮する。ハリーが罰則で出場停止になった際には、代わりにシーカーも務めた。この年、彼女とハリーはついに交際を始める。二人の関係はグリフィンドールがクィディッチ杯で優勝した後の談話室でのキスから始まった。しかし、アルバス・ダンブルドアの死後、ハリーは彼女をヴォルデモートから守るために、辛い決断の末に別れを告げる。

ヴォルデモートが魔法省を掌握し、ホグワーツが死喰い人の支配下に置かれると、ジニーはネビル・ロングボトムルーナ・ラブグッドと共にダンブルドア軍団を再結成し、抵抗運動を主導した。学年末には、ホグワーツの防衛のために戦うことを決意し、ホグワーツの戦いに参戦。ベラトリックス・レストレンジとの決闘では、その強力な呪いを紙一重でかわし、彼女の母親モリー・ウィーズリーがベラトリックスを倒すきっかけを作った。

ホグワーツ卒業後、ジニーはプロのクィディッチ選手となり、ホリヘッド・ハーピーズで活躍した。数年後に選手を引退してからは、日刊予言者新聞のクィディッチ担当上級記者となった。(Pottermore) 後にハリー・ポッターと結婚し、三人の子供、ジェームズ・シリウス・ポッターアルバス・セブルス・ポッター、そしてリリー・ルーナ・ポッターをもうけた。

ジニーはウィーズリー家特有の燃えるような赤毛と、そばかすのある顔立ちをしている。彼女の髪は長く豊かで、目は明るい茶色と描写される。物語が進むにつれて、非常に美しい女性へと成長する。

初登場時はハリーの前で極度に内気で臆病だったが、成長するにつれて自信に満ち、機知に富み、意志の強い性格へと変化する。彼女は非常に勇敢で忠実であり、母親譲りの激しい気性も持ち合わせている。友人や家族を守るためには一切の躊躇を見せず、人気者でありながらも独立心が強い。

  • ジネブラ (Ginevra): アーサー王伝説に登場するアーサー王の妻、グィネヴィア (Guinevere) のイタリア語形。父がアーサー・ウィーズリー、兄の一人がパーシー(パーシヴァル)であることからも、アーサー王伝説との関連性が示唆される。
  • モリー (Molly): 母親であるモリー・ウィーズリーにちなんで名付けられた。
  • ウィーズリー (Weasley): 作者によれば、「イタチ (weasel)」に由来する。イギリスの民間伝承ではイタチは不吉な動物とされることが多いが、作者自身はイタチが好きであり、その誤解されたイメージがこの家族に重ねられている。
  • J.K. ローリングは、物語のかなり早い段階からジニーがハリーの最終的なパートナーになることを計画していたと述べている。彼女はジニーを「ハリーにとって理想の女性」と考えており、その理由はジニーが強く、自立しており、ハリーを 있는 그대로受け入れたからだと語っている。(作者インタビュー)
  • 映画版ではボニー・ライトがジニーを演じた。しかし、原作と比較して彼女の活発で気の強い性格や、ハリーとの関係の発展に関する描写が大幅に削減されていると感じるファンも多い。また、映画では彼女のフルネーム「ジネブラ」が一度も言及されていない。(映画設定)