ゴドリック・グリフィンドールの剣

ゴドリック・グリフィンドールの剣は、熟練したゴブリンの王、ラグヌク一世によって鍛えられた、見事な銀製の剣です。刀身は明るく輝き、柄頭には鶏卵ほどもある大きなルビーがはめ込まれています。柄のすぐ下には、ゴドリック・グリフィンドールの名前が刻まれています。 ゴブリン製の銀製品に共通する特性として、この剣は汚れや不純物を一切寄せ付けず、常に清らかで輝きを保っています。また、自身を強化する物質のみを吸収するという、極めて重要な魔法特性を備えています。

この剣が持つ最も顕著な魔法特性は、その製造法と歴史に由来します。

この剣は、ホグワーツ創設者の一人であるゴドリック・グリフィンドールが、ゴブリンの最も優れた鍛冶職人であったラグヌク一世に特注して作らせたものです。しかし、その所有権を巡っては、魔法使いとゴブリンの間で長年にわたる見解の相違が存在します。 ゴブリン側の伝承では、グリフィンドールは完成した剣をラグヌク一世から「盗んだ」とされています。一方で、魔法使い側の歴史では、グリフィンドールは正当な対価を支払って剣を購入したと記録されています。この歴史認識の対立は、グリップフックハリー・ポッターに語ったように、両種族間の不信感を象徴する出来事の一つとなっています。 グリフィンドールの死後、剣はホグワーツに残り、組分け帽子を通じて、勇気あるグリフィンドール生が必要とする時にその姿を現してきました。長らく校長室に保管されていましたが、アルバス・ダンブルドアの死後、その所有権は再び争点となりました。

ゴドリック・グリフィンドールの剣は、物語全体を通して極めて重要な役割を果たします。

  • 剣が「真の」あるいは「ふさわしい」人物の前に現れるという設定は、アーサー王伝説におけるエクスカリバー(湖の乙女から与えられたり、石から引き抜かれたりする剣)と強い類似性を持っています。(Pottermore)
  • Pottermore の情報によると、グリフィンドールは剣を盗んだのではなく、正当に購入しました。ラグヌク一世が剣の出来栄えに執着し、部下を遣わして取り返そうとしたため、グリフィンドールは魔法で彼らを撃退しました。ゴブリン側が「盗まれた」と主張するのは、この屈辱的な出来事が原因であるとされています。(Pottermore)