ホグワーツ特急
基本情報
記述と外観
ホグワーツ特急は、深紅色の蒸気機関車です。車体の正面には「ホグワーツ特急 5972」という銘板が取り付けられています。多数の客車を牽引し、その内部はスライド式のドアで仕切られたコンパートメント(個室)に分かれています。 学期始めと終わりの運行中には、お菓子を山積みにしたカートを押す魔女が車内を巡回し、かぼちゃパイや蛙チョコレート、百味ビーンズなどを販売します。
魔法の特性と用途
- 主な用途: ホグワーツ魔法魔術学校の生徒を、ロンドンとホグワーツの間で輸送するために使用される。
- 運行スケジュール: 年に少なくとも6回運行される。具体的には、学年の始まり(9月1日)、クリスマス休暇、イースター休暇、そして学年の終わりにそれぞれ往復する。
- 魔法の性質: この列車は単なる蒸気機関ではなく、魔法によって運行されています。列車自体がマグルには見えないように魔法がかけられており、マグルが多数いるキングス・クロス駅を問題なく通過することができます。
歴史
ホグワーツ特急が導入される以前、生徒たちは各自でホグワーツへ向かっていました。移動キー (ポートキー)、箒、姿現わし (Apparition) など、その手段は様々でしたが、安全性に欠け、国際魔法使い機密保持法を危険に晒す事例も少なくありませんでした。 安全かつ秘密裏に全生徒を輸送する手段として、当時の魔法大臣オッタライン・ギャンボルがマグルの発明品である列車を利用することを提案しました。純血主義の魔法族からは強い反発がありましたが、最終的に魔法省はイングランドのクリーウーでマグルから深紅色の蒸気機関車を「入手」しました。この際には、英国史上最大規模とされる集団的な忘却術が用いられたとされています。(Pottermore) その後、列車には様々な魔法的な改造が施され、1850年代からホグワーツ生徒の輸送手段として正式に運用が開始されました。(Pottermore)
物語における役割
ホグワーツ特急は、ハリー・ポッターと読者にとって、初めて魔法界のコミュニティに触れる象徴的な場所です。
- ホグワーツの縮図: 列車内のコンパートメントは、ホグワーツの寮や派閥の縮図として機能し、友人関係やライバル関係が形成される重要な舞台となります。
- 重要な出来事の舞台:
- エピローグ: 物語の最後、19年後にハリーの子供たちであるジェームズ・シリウス・ポッターとアルバス・セブルス・ポッターがホグワーツ特急に乗り込む場面で、物語は締めくくられます。
舞台裏情報
- 映画で使用された蒸気機関車は、実在するグレート・ウェスタン鉄道4900形5972号蒸気機関車「オルトン・ホール」です。(映画設定)
- 作者のJ.K.ローリングがキングス・クロス駅を物語の出発点に選んだのは、彼女の両親がキングス・クロス駅からスコットランドへ向かう列車内で出会ったという個人的な思い出に基づいています。(作者インタビュー)