キングス・クロス駅
基本情報
- 所在地 (Location): イギリス、ロンドン
記述と歴史
キングス・クロス駅は、ロンドン中心部に実在する大規模で混雑したマグルの主要鉄道駅です。魔法界にとって、この駅は毎年9月1日にホグワーツ魔法魔術学校へ向かうホグワーツ特急が出発する九又四分之三番線への唯一の入り口として、極めて重要な役割を果たしています。 この魔法の入り口は、9番線と10番線を隔てるレンガ造りの頑丈な壁(集札口の間の柱)に偽装されています。魔法使いや魔女は、この障壁に向かって真っ直ぐに、自信を持って歩く(または走る)ことで通り抜けることができます。マグルにはただの固い壁にしか見えないため、彼らの注意を引くことなくプラットフォームへアクセスすることが可能です。しかし、ためらったり恐怖心を持ったりすると、壁に激突してしまう危険性があります。 毎年9月1日午前11時には、何百もの魔法族の家族がこの駅に集結するため、一定の混乱が生じます。魔法省はマグルに魔法界の存在を気づかれないよう、私服の役人を配置して監視を行っています。 Pottermore によると、ホグワーツ特急というアイデアを考案したオッタライン・ギャンボル魔法大臣が、生徒たちを秘密裏かつ安全に学校へ送り届けるための拠点として、このマグルの駅を利用することを決定しました。(Pottermore)
物語における役割
キングス・クロス駅は、ハリー・ポッターにとってマグルの世界と魔法の世界を繋ぐ象徴的な場所であり、物語全体を通じて何度も重要な舞台となります。
- 秘密の部屋: 屋敷しもべ妖精のドビーが障壁を魔法で封鎖したため、ハリーとロン・ウィーズリーはホグワーツ特急に乗り遅れ、アーサー・ウィーズリーの空飛ぶフォード・アングリアで学校へ向かうことになりました。
- 死の秘宝: 物語のクライマックスで、ハリーがヴォルデモートの「死の呪い」を受けた後、彼の意識は死と生の狭間にある精神世界へ行きます。この世界は、ハリーにとって、光に満ちた静かで誰もいないキングス・クロス駅の姿で現れました。彼はそこでアルバス・ダンブルドアの魂と再会し、自らの運命と分霊箱に関する最後の真実を知り、生きて戦いに戻ることを決意します。
既知の区域
舞台裏情報
- J.K. ローリングは、自身の両親がキングス・クロス駅からスコットランドのアーブロースへ向かう列車で出会ったという個人的な思い出から、この駅を物語の重要な場所として選んだと語っています。(作者インタビュー)
- 映画版では、キングス・クロス駅の実在の9番線と10番線が線路で隔てられており、間に壁が存在しないという物理的な理由から、撮影は4番線と5番線の間で行われました。(映画設定)
- 現在、現実のキングス・クロス駅には、壁に半分めり込んだ手押しカートが設置された「Platform 9¾」の記念撮影スポットがあり、世界中のファンが訪れる観光名所となっています。