ゴドリックの谷 (Godric's Hollow)
基本情報
- タイプ (Type): 村庄
- 地点 (Location): イングランドの西部の田舎 (West Country, England)
記述と歴史
ゴドリックの谷は、イギリスで最も有名で歴史ある半魔法族の村の一つです。その名は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人であり、この地で生まれたゴドリック・グリフィンドールに由来します。 村は絵のように美しく、村の中心には広場があり、教会、パブ、いくつかの商店が点在しています。広場の中央には戦争慰霊碑が立っていますが、魔法使いや魔女が近づくと、その姿はジェームズ・ポッター、リリー・ポッター、そして赤ん坊のハリー・ポッターの像に変わります。 この村の歴史は古く、多くの著名な魔法族の家族が住んでいました。死の秘宝の伝説に登場するペベレル三兄弟の一人、イグノタス・ペベレルもこの村に埋葬されています。彼の墓石には死の秘宝のシンボルが刻まれており、物語の後半で重要な意味を持ちました。 近代史において、ゴドリックの谷は二つの悲劇的な出来事の舞台となりました。一つはダンブルドア家の悲劇です。若き日のアルバス・ダンブルドアがゲラート・グリンデルバルドと親交を結んでいた時期、彼らと弟のアバーフォース・ダンブルドアとの三者の決闘の最中に、妹のアリアナ・ダンブルドアが命を落としました。 そして最も有名な出来事は、1981年10月31日のハロウィーンに起きたポッター夫妻の殺害です。ヴォルデモート卿はポッター家に押し入り、ジェームズ・ポッターとリリー・ポッターを殺害しましたが、ハリー・ポッターを殺そうとした際にリリー・ポッターの「愛の防御」によって呪いが跳ね返り、肉体を失いました。この事件により第一次魔法戦争は終結し、ハリー・ポッターは「生き残った男の子」として知られることになりました。ポッター家の家は半壊した状態で魔法的に保存され、ヴォルデモート卿の暴虐とポッター家の犠牲を伝える記念碑となっています。
物語における役割
ゴドリックの谷は、特に物語の最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』において極めて重要な場所です。 ハリー・ポッターとハーマイオニー・グレンジャーは、グリフィンドールの剣を探し、また魔法史家のバチルダ・バグショットから情報を得るために、1997年のクリスマスイブにこの村を訪れます。ハリーにとっては、両親が殺害されて以来初めての帰郷であり、自身のルーツと向き合う象徴的な旅でした。 二人は村の墓地で、ケンドラ・ダンブルドアとアリアナ・ダンブルドアの墓、そしてジェームズ・ポッターとリリー・ポッターの墓を発見します。両親の墓石に刻まれた「最後の敵は死である」という言葉は、ハリーに深い感銘を与えました。また、イグノタス・ペベレルの墓で死の秘宝のシンボルを目撃したことで、ゼノフィリウス・ラブグッドから聞いた伝説との関連性に気づくきっかけとなります。 その後、バチルダ・バグショットの家に招き入れられますが、それはヴォルデモート卿の蛇であるナギニが仕掛けた罠でした。激しい戦闘の末、ハリーの杖は折れてしまいますが、二人はかろうじて脱出に成功します。この訪問は、ハリーがダンブルドアの過去と死の秘宝の謎を解き明かす上で、決定的な転換点となりました。
既知の区域
- バチルダ・バグショットの家 (Bathilda Bagshot's House): ハリーとハーマイオニーがナギニに襲われた家。