スカラベ、またはフンコロガシは、エジプト原産の魔法生物です。体長は約半インチ（約1.27cm）で、鮮やかな青い甲殻を持つことで知られています。この甲殻は非常に価値があり、魔法薬の材料として珍重されるため、スカラベは保護種に指定されており、その取引は魔法省によって厳しく管理されています。 この生物は飛翔能力を持っています。古代エジプトの魔法使いやマグルは、スカラベが太陽を空の彼方へ転がしていくと信じており、神聖な生き物として崇拝していました。この信仰は、スカラベが持つ魔法的な性質と、その独特な生態に由来するものと考えられます。
スカラベは、主に魔法薬の材料として物語に登場します。特に、乾燥させたスカラベは才気煥発薬 (Wit-Sharpening Potion)の重要な材料の一つです。 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』において、セブルス・スネイプ教授の魔法薬学の授業でこの薬を調合する際、ハーマイオニー・グレンジャーが材料の価格について言及しています。彼女は、保護種であるために乾燥スカラベの価格が高騰していると不満を述べており、このことからスカラベの取引が魔法界の市場に影響を与えていることが分かります。 また、ダイアゴン横丁にある魔法動物ペットショップ (Magical Menagerie) のような店で、魔法薬の材料として取り扱われている可能性があります。
この魔法生物の名前は、実在の昆虫である「スカラベ」（学名: Scarabaeus sacer）に直接由来しています。現実世界の古代エジプトにおいても、スカラベは太陽神ケプリの化身とされ、再生と復活の象徴として神聖視されていました。J.K. ローリングは、この歴史的・神話的な背景を魔法界の設定に巧みに取り入れています。