一角獣のたてがみは、その生物の首筋から採取される魔法の毛である。一角獣自身が純白の生き物であるため、そのたてがみも通常、銀色に輝く美しい白色をしている。非常に丈夫であり、強力な魔法の力を秘めていることで知られている。
一角獣のたてがみは、特に杖の芯としてその価値を高く評価されている。また、他の魔法的な用途にも使用される。
ギャリック・オリバンダーによると、一角獣のたてがみを芯にした杖には以下のような特徴がある。
『ハリー・ポッターと賢者の石』において、ルビウス・ハグリッドはヴォルデモート卿に襲われ傷ついた一角獣を発見した際、その傷口を縛るために一角獣の尻尾の毛を使用した。これはたてがみではないが、近しい部位の毛が応急処置として利用できる程度の結束力や治癒力を持つことを示唆している。
一角獣のたてがみは、ヨーロッパの杖作りの伝統において、何世紀にもわたって三大芯材の一つとして重宝されてきた。特にオリバンダー家は、その安定性と忠実さを高く評価し、好んで使用してきた。その清らかで穢れにくい性質から、多くの魔法使いに信頼される芯材としての地位を確立している。
物語において、一角獣のたてがみは杖の性質を定義し、ひいては持ち主の性格を象徴する重要な要素として機能する。この芯を持つ杖の所有者が、セドリック・ディゴリーのような誠実な人物から、ドラコ・マルフォイのような複雑な背景を持つ人物まで多岐にわたることは、杖が持ち主を選ぶという神秘性を深めている。また、闇の魔術への耐性は、物語全体における善と悪の対立を象徴する魔法の性質の一つとして描かれている。