アッシュワインダーの卵

• タイプ: 魔法薬の材料、魔法動物の副産物
• 所有者: （消耗品であるため、特定の所有者はいない）
• 製作者: アッシュワインダー

『幻の動物とその生息地』によると、アッシュワインダーの卵は鮮やかな赤色で、白熱しているかのように光を放つ。産み落とされた直後は強烈な熱を帯びており、放置すれば数分でそれが置かれた建物を焼き尽くしてしまう危険性を持つ。 そのため、発見された卵は、安全に取り扱うために速やかに凍結呪文などを用いて凍らせる必要がある。

アッシュワインダーの卵は、適切に処理された後、価値の高い魔法薬の材料となる。主な用途は以下の通りである。

• 病気の治療: 瘧 (熱病の一種) の治療薬として、卵を丸ごと食べると効果があるとされている。
• 惚れ薬の材料: 特定の惚れ薬の調合に用いられる。

最も重要な特性は、その極度の熱である。この熱は、卵が産み落とされた後、アッシュワインダー本体が塵となって消滅するまでのごく短時間しか持続しない。この熱を魔法で封じ込める（凍らせる）ことが、卵を利用するための必須条件である。

アッシュワインダーの卵の歴史は、その母体である魔法動物、アッシュワインダーのライフサイクルと密接に結びついている。 アッシュワインダーは、魔法の火が監視されずに長時間燃え続けた際に、その燃えさしから生まれる細い蛇である。誕生後、わずか一時間しか生きることができず、その短い時間で住居の暗く人目につかない場所を探し出し、卵を産み落とす。産卵を終えると、アッシュワインダーは塵となって崩れ落ちる。 したがって、卵が存在するのはこの非常に短い期間のみであり、魔法使いがその住居でアッシュワインダーの灰の跡を発見した場合、巣を探し出して卵が火事を引き起こす前に凍らせることが賢明とされる。

アッシュワインダーの卵は、『ハリー・ポッター』シリーズの主要な物語には直接登場しない。その存在と特性は、ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書である『幻の動物とその生息地』で詳しく解説されており、魔法界の生態系や魔法薬学の奥深さを示す世界観構築の要素として機能している。

• ビデオゲーム『ホグワーツ・レガシー』において、アッシュワインダーの卵はプレイヤーが収集できる魔法薬の材料として登場する。（ゲーム『ホグワーツ・レガシー』）