オーガスタス・ルックウッド

オーガスタス・ルックウッドは、ヴォルデモート卿に仕える死喰い人 (デスイーター)の一員である。第一次ウィザーディング戦争中は魔法省神秘部に勤務するアンズピーカブル (不可言士)として、ヴォルデモート卿のためにスパイ活動を行っていた。第二次ウィザーディング戦争ではアズカバンを脱獄後、神秘部の戦いホグワーツの戦いといった重要な戦闘に参加し、フレッド・ウィーズリーを死に至らしめた爆発を引き起こした人物として知られる。

ルックウッドは魔法省の職員、特に機密性の高い部署である神秘部に所属するアンズピーカブルとして働いていた。その立場を利用し、彼はヴォルデモート卿に省内の情報を流すスパイとしての役割を担っていた。彼の情報網は広範にわたり、ルード・バグマンの父親のような人物も含まれていた。バグマン自身も、無意識のうちにルックウッドに情報を渡していたことがあると後に告白している。 ヴォルデモート卿の失墜後、捕らえられた死喰い人イゴール・カルカロフが自身の減刑と引き換えに、ウィゼンガモットの前でルックウッドの名を挙げた。ペンシーブ (憂いの篩) を通じてハリー・ポッターが目撃したこの裁判の記憶の中で、カルカロフはルックウッドが貴重な情報をヴォルデモート卿にもたらしたことを証言した。この証言により、ルックウッドは捕らえられ、アズカバンへ投獄された。

1996年1月、ルックウッドはベラトリックス・レストレンジらと共にアズカバンからの集団脱獄に成功する。 同年6月、彼は神秘部の戦いに参加した死喰い人の一人だった。ハリー・ポッターから予言の球を奪取する任務を負っていたが、不死鳥の騎士団の介入により失敗に終わる。彼はヴォルデモート卿に対し、任務の失敗を報告している。 1998年5月2日のホグワーツの戦いにも参戦。戦闘のさなか、彼はパーシー・ウィーズリーと交戦中だったフレッド・ウィーズリーの近くで強力な爆発を引き起こした。この爆発がフレッドの直接の死因となった。最終的に、ルックウッドはアバーフォース・ダンブルドアによって呪文をかけられ、打ち負かされた。

ルックウッドの外見について、原作ではアズカバン脱獄後に日刊予言者新聞に掲載された写真として「あばた面で脂ぎった髪の男」と描写されている。 彼の性格は、死喰い人としての忠誠心と冷酷さが際立っている。神秘部という機密部署で長年スパイとして活動できたことから、狡猾で用心深い人物であったことがうかがえる。また、戦闘においては躊躇なく致命的な呪文を行使する残忍な一面を持つ。

  • : 彼のの芯や材質に関する具体的な記述はない。
  • 死喰い人のマスクとローブ: 他の死喰い人と同様に、任務や戦闘の際には身元を隠すためのマスクと黒いローブを着用していた。
  • Augustus (オーガスタス): ラテン語で「尊厳ある者」「偉大な者」を意味する名前。ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスに由来し、尊大さや重要性を感じさせる響きを持つ。
  • Rookwood (ルックウッド): 英語圏の姓。「Rook」はミヤマガラスを指し、この鳥はしばしば死や不吉な予兆と関連付けられる。「Wood」は森を意味する。合わせて「カラスの森」といった、暗く不気味なイメージを喚起させる。また、「Rook」はチェスの駒の一つでもあり、彼の戦略的なスパイとしての役割を暗示している可能性がある。