神秘部の戦い
基本情報
- タイプ (Type): 戦闘、第二次魔法戦争における主要な出来事
- 主要参戦者 (Key Combatants):
- 重要特徴 (Key Features):
記述と歴史
神秘部の戦いは、1996年6月、ヴォルデモート卿がハリー・ポッターに関する予言を手に入れるために仕組んだ計画によって引き起こされました。ヴォルデモートは開心術を用いてハリーの精神に侵入し、名付け親であるシリウス・ブラックが神秘部で拷問されているという偽のビジョンを見せました。 シリウスの身を案じたハリーは、ハーマイオニー・グレンジャーの忠告にもかかわらず、ダンブルドア軍団の仲間5人と共にセストラルに乗ってロンドンへ向かいました。魔法省に侵入した彼らは、ビジョンで見た場所、すなわち無数のガラス玉が並ぶ「予言の間」にたどり着きます。そこでハリーは、自身の名前が記された予言の玉を発見します。 しかし、ハリーが予言を手に取った直後、ルシウス・マルフォイ率いる死喰い人たちが姿を現し、彼らを包囲しました。死喰い人の目的は、予言を無傷でヴォルデモートに引き渡すことでした。ハリーたちが引き渡しを拒否したため、神秘部の様々な部屋を舞台にした激しい戦闘が開始されます。 学生たちは数的に不利な状況で奮戦しますが、次第に追い詰められていきます。絶体絶命の危機に陥ったその時、セブルス・スネイプからの警告を受けて駆けつけたシリウス・ブラックをはじめとする不死鳥の騎士団のメンバーが到着し、戦局は一時的に好転します。 激しい決闘の最中、シリウス・ブラックは従姉のベラトリックス・レストレンジが放った呪文を受けて、死の部屋にあったベールのかかったアーチの向こう側へと倒れ込み、命を落としました。
在故事中的作用
この戦いは、第二次魔法戦争の転換点となる極めて重要な出来事でした。
- シリウス・ブラックの死: ハリーにとって唯一の家族であったシリウスの死は、彼に計り知れない悲しみと罪悪感をもたらし、その後の彼の精神的成長に大きな影響を与えました。
- 予言の破壊: 戦闘の混乱の中、ネビル・ロングボトムが誤って予言の玉を破壊してしまいます。これにより、ヴォルデモートは予言の全容を知る機会を永遠に失いました。後にアルバス・ダンブルドアが、その内容をハリーに語り聞かせます。
- ヴォルデモート帰還の公認: 戦いの最終盤、アトリウムにヴォルデモート本人が姿を現し、アルバス・ダンブルドアと直接対決します。その場にコーネリウス・ファッジ魔法大臣を含む多くの魔法省職員が居合わせたため、省はヴォルデモートの帰還という事実を認めざるを得なくなりました。これにより、ハリーとダンブルドアに対する中傷キャンペーンは終わりを告げ、魔法界全体が戦争の開始を認識することになります。
戦闘が行われた区域
この戦いは、神秘部内の複数の特徴的な部屋を移動しながら行われました。
- 時間の部屋 (Time Room): 逆転時計 (タイムターナー)や、中に入った人間の頭が赤ん坊に戻るベル・ジャーが置かれています。
- 惑星の部屋 (Planet Room): 惑星の模型が浮かぶ暗い部屋。
- 入口の間 (Entrance Chamber): 壁が回転し、各部屋への扉が現れる円形の部屋。
幕後情報
- ネビル・ロングボトムが予言を破壊する展開について、作者のJ.K.ローリングは、予言で言及された「選ばれし者」がネビルであった可能性を示唆するために、意図的に彼にその役割を与えたと述べています。(作者インタビュー)
- 映画版『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、戦闘の描写にいくつかの変更点があります。例えば、予言の間の棚がドミノ倒しのように壮大に破壊されるシーンや、不死鳥の騎士団のメンバーが黒い煙のような姿で現れる演出が追加されています。(映画設定)