クラッブ氏

クラッブ氏

クラッブ氏 (Mr. Crabbe) は、純血の魔法使いであり、ヴォルデモート卿に仕える死喰い人 (デスイーター) の一員です。彼はホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮に所属するヴィンセント・クラッブの父親です。第一次および第二次魔法戦争の両方に死喰い人として参加し、ヴォルデモート卿への忠誠心を示しました。物語の中では、ゴイル氏と共に、彼らの息子たち、ヴィンセント・クラッブグレゴリー・ゴイルドラコ・マルフォイの取り巻きであるのと同様の関係性を持つ、脇役的な死喰い人として描かれています。

クラッブ氏のホグワーツ在学時代や第一次魔法戦争での具体的な活動については、原作小説ではほとんど語られていません。しかし、彼はヴォルデモート卿が最初に権力を握った時代からの支持者であったことが示唆されています。ヴォルデモート卿の失墜後、彼はルシウス・マルフォイら多くの死喰い人と同様に、服従の呪文によって操られていたと主張するなどして、アズカバンへの収監を免れたと考えられます。 1995年、ヴォルデモート卿がリトル・ハングルトンの墓地で復活を遂げた際、クラッブ氏は闇の印の召喚に応じ、主の復活に立ち会った死喰い人の一人でした。ヴォルデモート卿は、彼がゴイル氏ルシウス・マルフォイらと共に忠実に帰還したことを認識しています。 1996年、彼は神秘部の戦いに参加した12人の死喰い人の一員でした。この戦いで、彼はハリー・ポッターとその友人たちと交戦しましたが、最終的に不死鳥の騎士団のメンバーによって捕らえられました。この事件により、彼の死喰い人としての活動が魔法省に公的に確認され、彼はアズカバンに投獄されました。 1997年のアズカバンからの集団脱獄の際に彼が脱獄したかどうかは明確に述べられていませんが、他の多くの死喰い人と共に解放された可能性が高いです。その後の彼の動向や最終的な運命は不明です。

  • 外貌: 原作において、クラッブ氏は息子のヴィンセント・クラッブと同様に、体格が大きくがっしりしていると描写されています。リトル・ハングルトンの墓地の場面では、「大柄で幅広の男」と記されており、ヴィンセントがそのまま年を取ったような姿であるとされています。
  • 性格: 彼の性格は、忠実ではあるものの、特に知的または独創的ではない死喰い人として描かれています。彼はヴォルデモート卿の命令に疑いなく従う、典型的な追随者です。純血主義のイデオロギーに深く染まっており、その価値観を息子にも叩き込んでいます。彼の行動は、個人の野心よりも集団への帰属意識と主に仕えることに動機づけられているようです。

クラッブ氏は有能な決闘者であり、闇の魔術に精通していると考えられます。彼は神秘部の戦いのような重要な戦闘任務に選ばれるほどの実力を持っていました。

  • 闇の魔術: 死喰い人として、彼は許されざる呪文を含む様々な闇の魔術を行使する能力を持っていたと推測されます。
  • 決闘: 神秘部の戦いで、彼はダンブルドア軍団の若いメンバーと互角に渡り合いました。
  • 姿現わし (Apparition): 他の成人魔法使いと同様に、彼は姿現わしで移動することができます。
  • 杖 (Wand): 彼の杖の芯や材質、長さなどの詳細は不明です。
  • 死喰い人のマスクとローブ (Death Eater's Mask and Robes): 死喰い人として活動する際には、身元を隠すための仮面と黒いローブを着用していました。

「Crabbe」という姓は、英語で「カニ (crab)」を意味する言葉に由来する可能性があります。カニは横歩きする性質や、不機嫌で意地悪な様子(“crabby”)を連想させることがあります。これは、クラッブ親子のがさつで不快な性格や、ヴォルデモート卿の陰でこそこそと動く様子を象徴しているのかもしれません。