クィレル教授のターバン
基本情報
- タイプ: 闇の魔法がかけられた衣類
- 所有者: クィリナス・クィレル
- 製造者: 不明(クィリナス・クィレルがヴォルデモートの指示で魔法をかけたと推測される)
記述と外観
クィリナス・クィレル教授が1991年から1992年の学年度を通して常に着用していた、人目を引く紫色の大きなターバン。このターバンからは強烈なニンニクの臭いが放たれていた。クィレルは、ルーマニアでの冒険で出会った吸血鬼を追い払うために、アフリカの王子からこのターバンを贈られたと主張し、ニンニクはそのための対策だと説明していた。しかし、これは彼の真の目的を隠すための嘘であった。
魔法の特性と用途
このターバンの最も重要な役割は、クィレルの後頭部に寄生していたヴォルデモートの顔を物理的に隠蔽することであった。ニンニクの強い臭いは、生徒や他の教授たちがクィレルに近づきすぎるのを防ぎ、秘密が露見するリスクを減らすための意図的な策略だった。 さらに、このターバンには強力な闇の魔法がかけられていたとアルバス・ダンブルドアが推測している。この魔法は、ヴォルデモートを外部の脅威から守るための防御壁として機能していた。しかし、リリー・ポッターの犠牲による愛の守りが宿るハリー・ポッターの身体に直接触れた際には、この闇の魔法は全く無力であった。
歴史
1991年、アルバニアの森で弱体化したヴォルデモートの霊体に出会ったクィリナス・クィレルは、彼の僕となり、自身の身体を宿主として提供した。ヴォルデモートがクィレルの後頭部に寄生するようになってから、彼はこのターバンを着用し始めた。 クィレルはホグワーツ魔法魔術学校での教職期間中、公の場では決してこのターバンを外さなかった。禁じられた森で一角獣の血をすする際や、賢者の石が隠された地下の部屋でハリー・ポッターと対峙した際など、限られた状況でのみターバンを解き、ヴォルデモートの顔を露わにした。 1992年6月、賢者の石を巡る最終決戦において、ハリー・ポッターに触れたクィレルの身体が焼けただれた際、このターバンも共に燃え尽きたか、あるいはその過程で剥がれ落ちたとされる。
物語における役割
『ハリー・ポッターと賢者の石』において、このターバンは物語の核心的な謎と伏線として機能する。それはクィレル教授の奇妙な言動(吃音や臆病な振る舞い)と共に、彼の正体を隠すための重要な偽装であった。このターバンの存在が、物語のクライマックスでヴォルデモートがホグワーツの内部に潜んでいたという衝撃的な事実を明らかにするための、劇的な装置となっている。それはまた、最も身近な場所に悪が潜んでいる可能性を象徴するアイテムでもある。