ヒイラギ (Holly)
基本情報
- タイプ: 杖の木
- 著名な所有者: ハリー・ポッター
- 関連する杖製造者: ガラド・オリバンダー
説明と外観
ヒイラギは、杖の材料として使用される木材の一種です。その木質は白く、硬く、木目が細かいのが特徴です。杖として加工された際も、そのクリームがかった白色の外観を保ちます。
魔法的な特性と用途
杖学において、ヒイラギは非常に特殊で力強い性質を持つ木材とされています。ガラド・オリバンダーによれば、その特性は以下の通りです。
- 守りの性質: ヒイラギは伝統的に守りの力を持つとされ、邪悪なものや、持ち主自身の衝動的で短気な性質を克服する助けとなります。(Pottermore)
- 所有者の選定: 危険で、しばしば精神的な探求の旅に従事している魔法使いや魔女に選ばれる傾向があります。このため、ヒイラギの杖は比較的珍しいとされています。(Pottermore)
- 芯との相性: 杖の芯との組み合わせによって性能が最も劇的に変化する木材の一つです。特に不死鳥の尾羽との組み合わせは非常に稀で、もしこの組み合わせが成立した場合、その杖の持ち主は誰にも止められない運命にあるとさえ言われます。(Pottermore)
歴史
ヒイラギは古くから杖の材料として知られていましたが、その強力で時に扱いにくい性質から、すべての杖製造者が好んで使うわけではありませんでした。オリバンダー家は、ヒイラギの持つ潜在能力を高く評価しており、特にハリー・ポッターの杖がその最も有名な作例となりました。
物語における役割
ヒイラギは、物語の主人公であるハリー・ポッターが初めて手にした杖の木材として、極めて重要な役割を果たします。
- 兄弟杖: ヴォルデモート卿が持つイチイの杖と、同じ不死鳥から得た尾羽を芯に持つ「兄弟杖」です。この繋がりにより、二本の杖が対峙した際にはプライオア・インカンタート (呪文の逆戻り) 現象が発生しました。
- 破壊と修復: 『ハリー・ポッターと死の秘宝』でゴドリックの谷を訪れた際、ハーマイオニー・グレンジャーの呪文が誤って当たったことで真っ二つに折れてしまいます。その後、ハリーがニワトコの杖の正当な所有者となったことで、その絶大な力を用いてヒイラギの杖を完全に修復することに成功しました。
舞台裏情報
- 作者である J.K. ローリングは、ケルトの樹木暦に基づいて特定のキャラクターに杖の木を割り当てたと述べています。ハリーの誕生日である7月31日は、この暦においてヒイラギの期間にあたります。(作者の発言)
- ヒイラギがヨーロッパの伝承において「邪悪を払う」木とされていることは、ハリーがヴォルデモート卿と戦う運命にあることを象徴しています。