三校対抗試合の代表選手

三校対抗試合の代表選手とは、三大魔法学校対抗試合(通称:三校対抗試合)において、所属する魔法学校を代表して三つの課題に挑む、選ばれし生徒のことです。代表選手に選ばれることは、個人の魔法能力、勇気、そして機知が非常に優れていることの証明であり、大きな名誉と見なされます。 優勝者には、永遠の栄光と共に、賞金として1000ガリオンが授与されます。しかし、この栄誉には極めて高い危険が伴い、過去の大会では死者も出ていました。

代表選手の選出は、完全に公平な魔法の審判である炎のゴブレットによって行われます。

  1. 1. 資格を持つ生徒が、自分の名前と学校名を書いた羊皮紙を炎のゴブレットに投函します。
  2. 2. 1994年に再開された大会では、アルバス・ダンブルドアによってゴブレットの周囲に年齢線が引かれ、17歳未満の生徒は立候補できませんでした。
  3. 3. 炎のゴブレットは、各校から最も代表にふさわしいと判断した生徒を一人ずつ、炎と共に選び出します。
  4. 4. 一度選出されると、拘束力のある魔法の契約が成立し、代表選手は競技を最後までやり遂げることが義務付けられます。

1994年の大会で、ホグワーツ魔法魔術学校から二人目、すなわち4人目の代表選手としてハリー・ポッターが選ばれたことは、このプロセスにおける前代未聞の例外でした。これは、アラスター・ムーディに化けたバーテミウス・クラウチ・ジュニアが、強力な錯乱の呪文を用いて炎のゴブレットを欺いた結果でした。

三校対抗試合は、ヨーロッパの三大魔法学校であるホグワーツ魔法魔術学校ボーバトン魔法アカデミー、そしてダームストラング専門学校の間の親睦を深めるために、約700年前に創設されました。しかし、大会の過酷さから死者が続出したため、何世紀にもわたって中断されていました。 1994年に、魔法省の国際魔法協力部の主導で、より安全対策を講じた上で大会が再開されました。この時の代表選手が、セドリック・ディゴリー(ホグワーツ)、フラー・デラクール(ボーバトン)、ビクトール・クラム(ダームストラング)、そして異例の参加者となったハリー・ポッター(ホグワーツ)です。

代表選手という存在は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語の中核をなす要素です。ハリーが意図せず四人目の代表選手に選ばれたことで、彼は校内での孤立と疑惑に苦しむことになります。 三つの課題を通して、代表選手たちはそれぞれの能力と人間性を試されます。

最終的に、代表選手の役割はヴォルデモート卿の復活計画に利用されました。第三の課題で優勝杯に仕掛けられたポートキーにより、ハリーとセドリックはリトル・ハングルトンの墓場へ転送され、セドリックの死とヴォルデモートの復活という悲劇的な結末を迎えます。

  • 映画版では、代表選手が選ばれるシーンで炎のゴブレットがより劇的に名前の書かれた羊皮紙を噴出する演出がなされています。(映画設定)
  • また、第一の課題におけるドラゴンとの戦いは、原作の囲い地の中での対決とは異なり、ホグワーツの敷地全体を舞台にした大規模な追跡劇として描かれています。(映画設定)