ガリオン (Galleon)

• タイプ (Type): 魔法通貨
• 使用者 (Users): 魔法界の魔法使いや魔女全般
• 製造者 (Maker): グリンゴッツ魔法銀行に所属するゴブリン

ガリオンは、イギリス魔法界で流通する3種類の硬貨のうち、最も価値の高い金貨です。大きく、黄色く輝く黄金で作られています。硬貨の縁には、それを鋳造したゴブリンを特定するための連続番号が刻まれています。

ガリオンの主な機能は、魔法界における主要な通貨単位として機能することです。その交換レートは厳密に定められています。

• 1 ガリオン = 17 シックル
• 1 ガリオン = 493 クヌート

標準的な通貨としての用途に加え、ガリオンは魔法をかけられて別の目的のために使用されることがあります。最も顕著な例は、ハーマイオニー・グレンジャーがダンブルドア軍団のメンバー間の連絡手段として作成した偽のガリオンです。

• 偽のガリオン: ハーマイオニー・グレンジャーは、これらの偽ガリオンに変化呪文の一種である「プロテゴの呪文」(プロテゴとは異なる)をかけました。ハリー・ポッターが本物のガリオンの縁にある数字を次の会合の日時に変更すると、他のすべての偽ガリオンもそれに合わせて変化し、所有者に熱くなって知らせる仕組みになっていました。これは、ヴォルデモート卿が死喰い人との連絡に用いる闇の印の仕組みを応用したものです。

ガリオンは魔法界の経済の根幹をなし、物語を通して富、貧困、価値の象徴として頻繁に登場します。

• 経済の単位として: ハリー・ポッターがオリバンダーの店で最初の杖を購入した際の価格は7ガリオンでした。また、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーは、三大魔法学校対抗試合の賞金である1000ガリオンをハリーから受け取り、自分たちの店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズを開く資金としました。
• 富の象徴: ポッター家がハリーに残した遺産は、グリンゴッツ魔法銀行の金庫に大量のガリオンとして保管されており、一方でウィーズリー家は経済的に苦しい状況が描かれることが多いです。
• 懸賞金: 魔法省は当初、脱獄したシリウス・ブラックに1万ガリオンの懸賞金をかけました。後に、第二次魔法戦争中には、ハリーを生け捕りにするための懸賞金も同額でかけられました。
• 連絡手段として: 前述の通り、ダンブルドア軍団は偽のガリオンを秘密の連絡網として使用し、ドローレス・アンブリッジの厳しい監視をかいくぐりました。

「ガリオン (Galleon)」という名称は、16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで広く使用された大型の帆船「ガレオン船」に由来する可能性が高いです。特に、スペインのガレオン船は新大陸から大量の金銀財宝を運んだことで知られており、「金貨」の名称としてふさわしい響きを持っています。

• J.K. ローリングはインタビューで、1ガリオンはおおよそ5イギリス・ポンドに相当すると述べたことがありますが、これはあくまで目安であり、為替レートは変動するとしています。（作者インタビュー）