悪魔の罠

悪魔の罠は、暗く湿った場所を好む、非常に危険な魔法植物である。その外見は、柔らかくしなやかな、蛇のような多数の巻きひげや蔓 (つる) で構成されている。普段はじっと静止しているが、獲物が触れると即座に反応し、その体を絡めとる。 この植物は、ホグワーツ魔法魔術学校薬草学の授業で教えられる対象の一つであり、その危険性と対処法は学生にとって重要な知識である。

悪魔の罠の最も顕著な特性は、その強力な収縮力にある。生物がその蔓に触れると、即座にそれを捕らえて巻き付き、締め付け始める。犠牲者がもがけばもがくほど、蔓はより速く、より強く絡みつき、最終的には窒息に至らしめる。 この植物の唯一にして最大の弱点は、である。悪魔の罠は日光や炎を極端に嫌い、強い光や熱に晒されると、即座に収縮を解いて後退する。このため、インセンディオ (燃えよ) のような炎を生み出す呪文や、太陽光を作り出すルーモス・ソレム (太陽の光よ) のような呪文が極めて有効な対抗策となる。 その危険な性質から、主に重要な物品や場所を保護するための生きた罠として利用される。

  • 映画版での描写 (Film Portrayal): 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ハーマイオニーが悪魔の罠を撃退する際に、原作にはない「`ルーモス・ソレム`」という呪文を明確に唱えている。原作では、彼女は特定の呪文名を口にせず、得意としていた携帯可能な防水の青い炎を出すことで対処した。(映画設定)