エラプメントの角は、巨大で灰色がかった螺旋状の角です。その先端は鋭く、全体が重厚な質感を持ちます。物語中では、ゼノフィリウス・ラブグッドが自宅の居間に飾っていましたが、彼はこれを伝説の生物「しわくちゃ角スノーカック」(Crumple-Horned Snorkack) の角だと誤認していました。ハーマイオニー・グレンジャーは一目で見抜き、それが極めて危険なエラプメントの角であると指摘しました。
この角の最も危険な特性は、その内部に満たされている爆発性のある液体にあります。この液体は、角が突き刺したあらゆるものを体内から爆発させる致命的な効果を持ちます。そのため、角自体が極めて不安定で危険物として扱われます。 『幻の動物とその生息地』によれば、エラプメントの角、尾、そして爆発性の液体は魔法薬の材料として使用されますが、その危険性から魔法省によって厳しく規制されており、クラスB:取引可能品(危険物であり、厳重な管理下でのみ取引が許可される)に分類されています。 角そのものも非常に不安定で、外部から強い衝撃や特定の呪文を受けると、内部の液体が誘爆し、角全体が大規模な爆発を引き起こします。
この角の来歴の大部分は不明ですが、作中ではゼノフィリウス・ラブグッドが入手し、自宅に飾っていました。彼は娘のルーナ・ラブグッドを死喰い人から取り戻すための取引材料としてハリー・ポッターを捕らえようとしましたが、その際に生じた戦闘が角の運命を決定づけました。 ゼノフィリウスが放ったステューピファイ (失神呪文) が誤ってこの角に命中した結果、角は大爆発を起こしました。この爆発はラブグッド家の家屋を半壊させるほどの威力でしたが、その混乱が結果的にハリー、ロン・ウィーズリー、そしてハーマイオニー・グレンジャーが死喰い人から逃れるための決定的な隙を作りました。
エラプメントの角は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』において重要な役割を果たすプロットデバイスです。