パックワージー (Pukwudgie) は、北アメリカ大陸原産の魔法生物です。身長約60~90センチメートル(2~3フィート)で、灰色の肌と大きな耳を持つ、ヨーロッパのゴブリンの遠い親戚とされています。彼らは人間に対して強い不信感を抱く、狡猾で独立心の強い種族として知られています。 この生物に関する情報のほとんどは、J.K.ローリングがウェブサイト「Pottermore」(現在の「Wizarding World」)で発表したものであり、原作小説7部作には登場しません。特に、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の設立史において重要な役割を果たしたことで知られています (Pottermore)。
パックワージーという種族の歴史の中で、最も詳細に記録されているのは、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の創設者であるイゾルト・セイアとジェームズ・スチュワード夫妻に「ウィリアム」と名付けられた個体の物語です (Pottermore)。 イゾルトは森で傷ついていた気難しいパックワージーを助け、世話をしました。当初、彼は人間を嫌っていましたが、イゾルトの優しさに触れ、彼女とその家族を守るようになります。彼はイゾルトの邪悪な叔母であるゴームレイス・ゴーントが学校を襲撃した際に、毒矢で彼女を殺害し、イゾルトとその家族、そして生まれたばかりの学校を救いました。 この功績により、ウィリアムとその一族はイルヴァーモーニーの守護者となり、学校の警備と維持管理を担うようになりました。この深い繋がりに敬意を表し、イルヴァーモーニーの4つの寮のうちのひとつは「パックワージー」と名付けられました (Pottermore)。
パックワージーは、人間の魔法とは異なる、独自の強力な魔法を操ります。
パックワージーは、基本的に人間との関わりを避ける種族です。彼らは人間を信頼性がなく、危険な存在と見なしています。しかし、ウィリアムとイゾルト・セイアやジェームズ・スチュワードとの関係は、種族を超えた友情と忠誠が可能であることを示す唯一の例外です。この特別な関係が、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の寮名として彼らの名が刻まれるきっかけとなりました (Pottermore)。
「パックワージー (Pukwudgie)」という名前は、北米のネイティブアメリカン、特にワンパノアグ族の伝承に由来します。神話におけるパックワージーは、森に住むトリックスター的な存在で、人間にいたずらをしたり、時には危険な存在として描かれています。J.K.ローリングはこの伝承を基に、魔法界の生物として設定しました (Pottermore)。