イルヴァーモーニー魔法魔術学校
基本情報
解説と歴史
イルヴァーモーニー魔法魔術学校は、J.K. ローリングによって設定された魔法ワールドに存在する11の主要な魔法学校の一つであり、北アメリカ大陸の魔法使いと魔女を教育する機関です。その存在は七冊の原著小説には登場せず、全ての情報は公式サイトPottermore(現Wizarding World)で公開されたものです。 学校は17世紀に、アイルランド出身の魔女でありサラザール・スリザリンの子孫であるイゾルト・セイアと、彼女のノー・マジ(非魔法族)の夫であるジェームズ・スチュワードによって設立されました。彼らは養子として引き取った魔法使いの兄弟、チャドウィック・ブートとウェブスター・ブートと共に、当初は小さな石造りのコテージとして学校を始めました。「イルヴァーモーニー」という名前は、イゾルトが生まれ育ったアイルランドの家の名前に由来します。 設立後、イゾルトを追ってきた邪悪な叔母ゴームレイス・ゴーントによる襲撃を受けましたが、創設者一家と彼らに協力したパクワジの「ウィリアム」の活躍により撃退されました。この出来事を経て、イルヴァーモーニーは徐々に規模を拡大し、ホグワーツ魔法魔術学校に比肩する評価を受ける、世界で最も民主的で偏見の少ない魔法学校の一つとして知られるようになりました。
物語における役割
イルヴァーモーニーは『ハリー・ポッター』シリーズの原著には登場しません。この学校は主に『ファンタスティック・ビースト』シリーズの背景設定として重要な役割を果たします。 シリーズの主要登場人物であるポーペンティナ・ゴールドスタインとクイニー・ゴールドスタイン姉妹は、この学校の卒業生です。ポーペンティナはサンダーバード寮に所属していました。
判明しているエリア
- エントランスホール: 円形の大広間で、訪問者はまず創設者であるイゾルトとジェームズの大理石像に迎えられます。(Pottermore)
- 中央広間: エントランスホールの先にある、バルコニーが囲む円形の広間です。床には巨大なゴルディアスの結び目の紋章が描かれており、新入生の「組分けの儀式」はここで行われます。壁には4つの寮を象徴する巨大な木彫りの像が設置されています。(Pottermore)
寮制度
イルヴァーモーニーには、創設者たちがそれぞれ選んだ魔法生物にちなんで名付けられた4つの寮が存在します。新入生は中央広間の床にある結び目の紋章の上に立ち、寮を象徴する木彫りの像が反応するのを待ちます。複数の像が反応した場合、生徒自身が所属する寮を選択する権利を持ちます。(Pottermore)
- ワンプス (Wampus): 創設者ウェブスター・ブートが選んだ生物。豹に似た、素早く力強い魔法生物。魔法使いの身体 (body) を象徴し、戦士気質の生徒を好む。
- サンダーバード (Thunderbird): 創設者チャドウィック・ブートが選んだ生物。嵐を呼ぶことができる伝説の鳥。魔法使いの魂 (soul) を象徴し、冒険家タイプの生徒を好む。
- パクワジ (Pukwudgie): 創設者ジェームズ・スチュワードが選んだ生物。灰色肌で大きな耳を持つ、気難しいが獰猛な生物。魔法使いの心 (heart) を象徴し、癒し手の素質を持つ生徒を好む。
幕後情報
- イルヴァーモーニーに関する全ての詳細な設定は、2016年6月28日にJ.K. ローリングによってPottermore上で発表された短編小説『Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry』で初めて明かされました。
- この設定の公開は、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の公開に先駆けて、アメリカの魔法社会の背景を豊かにするために行われました。