三大対抗試合の優勝杯は、大きくてきらびやかな、取っ手が二つ付いた杯です。その輝きは非常に強く、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、第三の課題の迷宮の中心に置かれた際、眩いほどに輝いていたと描写されています。優勝杯は、それを目指す勇者たちにとって究極の目標であり、勝利の象徴として強い存在感を放っていました。
この優勝杯の主な機能は、三大対抗試合の勝者に授与される名誉あるトロフィーであることです。勝者とその出身校に「永遠の栄光」をもたらすと言われています。 しかし、1994年に再開された大会では、この杯はヴォルデモート卿の計画のために邪悪な目的に利用されました。アラスター・ムーディになりすましていたバーテミウス・クラウチ・ジュニアによって、優勝杯は密かに双方向のポートキーに変えられていました。
この魔法により、優勝杯は単なる賞品ではなく、ハリー・ポッターをヴォルデモート卿の待つ罠へと誘い込むための、極めて重要な道具となりました。
三大対抗試合の優勝杯は、この由緒ある魔法学校対抗試合の創設以来、伝統的な賞品として存在していました。数百年間中断されていた試合が1994年に復活した際も、この優勝杯が最終的な目標として設定されました。 第三の課題において、ハリーとセドリック・ディゴリーは協力して迷宮の中心にたどり着き、同時に優勝杯に触れることで共同優勝を選びました。その瞬間、ポートキーが作動し、二人はトム・リドル・シニアの墓地へと転送されました。そこでセドリックはピーター・ペティグリューによって殺害され、ハリーはヴォルデモート卿の復活の儀式を目撃することになります。 決闘の末、ハリーはセドリックの遺体とともに、気絶呪文を優勝杯に当てることでポートキーを起動させ、辛くもホグワーツへ帰還しました。
三大対抗試合の優勝杯は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語全体を通じて中心的な目標物(マクガフィン)として機能します。それは勇者たちの努力の結晶であると同時に、物語のクライマックスで悲劇を引き起こすための罠でもありました。 この杯が引き起こした出来事、特にセドリックの死とヴォルデモート卿の完全な復活は、魔法界が平穏な時代を終え、第二次魔法戦争へと突入する決定的な転換点となりました。ハリーがセドリックの遺体と共にこの杯を持って帰還したことは、アルバス・ダンブルドアや他の少数の人々にとって、ヴォルデモート卿の帰還を証明する最初の、そして否定しがたい証拠となりました。