姿くらまし術は、魔法使いや魔女が意志の力だけで瞬時に長距離を移動するための高度な魔法です。この術を行使すると、術者は出発点で「姿を消し (Disapparate)」、目標地点で「姿を現し (Apparate)」ます。移動は一瞬で完了し、多くの場合、大きな「パン!」という破裂音を伴います。しかし、アルバス・ダンブルドアのような極めて熟練した魔法使いは、ほとんど音を立てずにこの術を使うことができます。 この術を成功させるには、術者は3つのD、すなわち目的地 (Destination)、決意 (Determination)、熟慮 (Deliberation) に精神を集中させる必要があります。少しでも集中が乱れると、術は失敗し、極めて危険な「惨事 (Splinching)」を引き起こす可能性があります。 主な用途は迅速な移動であり、成人した魔法使いにとっては日常的な移動手段の一つです。また、他者を連れて移動する「二人現姿 (Side-Along Apparition)」も可能で、その際は同伴者が術者の体にしっかりと触れている必要があります。 作中では、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーがヴォルデモート卿から逃亡する際に頻繁に使用されました。また、不死鳥の騎士団のメンバーが緊急時に集結する際や、死喰い人が奇襲をかける際にも用いられました。