マルフォイの館
基本情報
記述と歴史
マルフォイの館は、古くから続く純血の魔法族であるマルフォイ家の先祖伝来の邸宅です。イギリスのウィルトシャー州に位置する広大な荘園であり、富と権力の象徴として建てられました。 屋敷へは暗い小道を通ってたどり着き、訪問者は精巧な錬鉄製の門で迎えられます。この門は、触れると煙のような顔の形を成し、訪問者の意図を問いただす魔法がかけられています。敷地内には手入れの行き届いた庭園が広がり、イチイの生け垣や噴水、そしてマルフォイ家の純血主義を象徴するかのような白いクジャクが飼われています。 屋敷の内部は豪華絢爛で、薄暗いながらも広大な玄関ホールには、歴代の当主たちの肖像画が飾られています。物語で特に重要な場所となる応接間には、大理石の暖炉やクリスタルのシャンデリアがあり、長い装飾的なテーブルが置かれています。しかし、第二次魔法戦争中にヴォルデモートの本拠地となって以降、その雰囲気は冷たく抑圧的なものへと変わりました。 歴史的に、この館はマルフォイ家が闇の魔術に関連する物品を隠す場所としても利用されていました。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、魔法省の強制捜査に先立ち、ルシウス・マルフォイが応接間の床下に隠していた闇の魔術の道具をボージン・アンド・バークスで売り払おうとしている様子が描かれています。
物語における役割
マルフォイの館は、物語、特に第二次魔法戦争において極めて重要な舞台となります。
- 死喰い人の本部: ルシウス・マルフォイが神秘部での任務に失敗した後、ヴォルデモートはこの館を死喰い人の事実上の本部に定めました。これはマルフォイ家にとって名誉ではなく、むしろ屈辱であり、彼らがヴォルデモートの支配下で権威を失いつつあることを示しています。『ハリー・ポッターと死の秘宝』の冒頭では、この館の応接間で死喰い人の会議が開かれ、ヴォルデモートが捕らえたホグワーツのマググル研究学教授、チャリティ・バーベッジを殺害する残忍な場面が描かれます。
- 牢獄と拷問の場: この館はヴォルデモートに敵対する者たちを監禁する牢獄としても機能しました。ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーが人さらいに捕らえられた際、この館に連行されました。彼らは地下牢で、同じく囚われの身であったルナ・ラブグッド、ディーン・トーマス、グリップフック、そしてオリバンダー老人と再会します。その後、ベラトリックス・レストレンジはグリフィンドールの剣の在処を突き止めるため、応接間でハーマイオニー・グレンジャーを磔の呪いで拷問しました。
既知の区域
舞台裏情報
- 映画版『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』において、マルフォイの館の外観のロケ地として、イギリス・ダービーシャーにあるハードウィック・ホールが使用されました。(映画設定)