テセウス・スキャマンダー

テセウス・スキャマンダー (Theseus Scamander) は、イギリス魔法省に所属する極めて有能な闇祓いであり、闇祓い局の局長を務める人物です。第一次世界大戦の戦争英雄としても知られています。彼は著名な魔法動物学者であるニュート・スキャマンダーの兄であり、物語においては、弟とは対照的に、規則や体制を重んじる現実主義者として描かれます。 彼の存在は、J.K.ローリングによる原作小説には登場せず、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズで初めて描かれたキャラクターであり、ゲラート・グリンデルバルドとの世界的な戦いにおける重要な役割を担います。(映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)

テセウスの経歴は、主に映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズで語られています。

  • 早年とホグワーツ時代
  • 魔法省でのキャリア
    • 魔法省に入省後、その卓越した魔法能力から闇祓いとして高い評価を受け、若くして闇祓い局の局長に就任しました。
    • 1927年、彼はゲラート・グリンデルバルドの脅威に対抗するため、国際的な魔法使いコミュニティと協力していました。当初は弟のニュートにも闇祓いとして協力するよう説得を試みますが、ニュートの独自のやり方とは相容れず、しばしば衝突しました。
    • 彼はホグワーツ時代の旧友であったリタ・レストレンジと婚約していました。しかし、パリのレストレンジ家の霊廟でグリンデルバルドの集会に乗り込んだ際、リタはテセウスとニュートを救うために自己犠牲の死を遂げました。
  • グリンデルバルドとの戦い
    • リタの死後、テセウスはアルバス・ダンブルドアが結成した最初のチームに加わり、グリンデルバルドの野望を阻止するために奔走します。
    • ドイツ魔法省での任務中、彼はグリンデルバルドの信奉者によって捕らえられ、エルクスターク刑務所に投獄されますが、弟のニュートによって救出されました。
    • 最終的に、ブータンで行われた国際魔法使い連盟の最高議長選挙において、ダンブルドアのチームの一員としてグリンデルバルドの計画を挫くために戦いました。(映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)
  • 外貌
    • 弟のニュートよりも背が高く、常に手入れの行き届いた服装をしています。魔法省の高官らしい、威厳と自信に満ちた佇まいが特徴です。(映画設定)
  • 性格
    • 忠実で規則を重んじる: 彼は魔法省の規則と秩序を絶対的なものとして信じており、しばしば規則から外れる弟の行動を心配しています。
    • リーダーシップ: 闇祓い局長として、部下を率いる優れたリーダーシップと決断力を持っています。
    • 兄弟愛: ニュートとは対照的な性格のため、表面的には厳しく接することが多いですが、心の底では弟を深く愛し、常にその身を案じています。リタの死やニュートの危機に直面した際には、感情的な一面も見せます。
    • 勇敢: 戦争英雄という経歴が示す通り、極めて勇敢な魔法使いであり、危険な状況でも臆することなく敵に立ち向かいます。
  • 決闘の達人: 闇祓い局の局長であることから、彼の決闘能力は最高レベルにあると推測されます。映画では、複数の敵を同時に相手にする高度な戦闘技術を披露しています。
  • 防御呪文: 熟練した闇祓いとして、強力な盾の呪文 (プロテゴ) をはじめとする様々な防御呪文に長けています。
  • 無言呪文: 多くの場面で無言呪文を巧みに使いこなし、迅速かつ効果的に魔法を行使します。
  • 守護霊: 彼の守護霊の形態は、作中では明らかにされていません。
  • 魔杖: 彼の魔杖の材質や芯に関する公式な情報はありません。
    • 唯一の弟。性格や生き方が正反対であるため、二人の関係は複雑です。テセウスはニュートに社会的な成功を望み、魔法省の枠組みに入ることを勧めますが、ニュートはそれを拒否します。しかし、グリンデルバルドとの戦いを通じて互いを深く理解し、協力し合うようになります。
    • 婚約者。彼はリタを深く愛していましたが、彼女がニュートと複雑な過去を共有していることも理解していました。彼女の死はテセウスに大きな悲しみをもたらしました。
    • 闇祓い局長として、当初はダンブルドアの行動に懐疑的な姿勢を見せることもありましたが、グリンデルバルドの脅威が深刻化するにつれて、彼を指導者として全面的に信頼するようになります。
  • テセウス (Theseus): ギリシャ神話に登場するアテナイの英雄の名に由来します。彼は迷宮(ラビリンス)に入り、怪物ミノタウロスを退治したことで知られています。これは、テセウス・スキャマンダーが魔法界の複雑な政治的・社会的な「迷宮」の中で、グリンデルバルドという「怪物」と戦う英雄であることを示唆しています。
  • スキャマンダー (Scamander): こちらもギリシャ神話に登場する、トロイア戦争の舞台となった平原を流れる川の神(スカマンドロス)の名に由来しています。
  • テセウス・スキャマンダーは、原作小説『ハリー・ポッター』シリーズには一切登場しない、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのために創作されたキャラクターです。
  • 映画シリーズでは、俳優のカラム・ターナー (Callum Turner) が演じています。
  • 彼のホグワーツ時代の寮がハッフルパフであることは、映画本編では語られていませんが、公式ウェブサイト “Wizarding World” によって明かされています。