闇祓い (Auror)
概要
闇祓い (オーラー、Auror) は、魔法省に所属するエリートの魔法使い・魔女から成る特殊部隊です。彼らの主な任務は、闇の魔術を捜査し、闇の魔法使いを捕らえることです。闇祓いは、高度な魔法戦闘技術と調査能力を要求される、魔法界で最も尊敬され、同時に最も危険な職業の一つと見なされています。
役割と歴史
闇祓いの主な役割は、魔法省の魔法法執行部の一部門である闇祓い局 (Auror Office) に所属し、魔法界の法と秩序を脅かす闇の勢力と戦うことです。彼らは死喰い人 (デスイーター) やその他の危険な犯罪者の追跡、逮捕、そして必要に応じて戦闘を行います。 第一次魔法戦争および第二次魔法戦争において、闇祓いはヴォルデモート卿とその追随者たちとの戦いにおいて中心的な役割を果たしました。この戦いで、アラスター・ムーディのような伝説的な闇祓いが名を馳せた一方で、フランク・ロングボトムとアリス・ロングボトムのように、任務中に捕らえられ、許されざる呪いによって心身を破壊されるなど、多くの闇祓いが命を落としたり、深刻な犠牲を払ったりしました。 第二次魔法戦争でヴォルデモートが魔法省を掌握した際には、闇祓い局もその支配下に置かれ、多くの職員が殺害されるか、あるいは服従の呪いによって操られました。
採用と訓練
闇祓いになるためには、極めて厳しい基準をクリアする必要があります。
- 学業要件: ホグワーツ魔法魔術学校の卒業生は、N.E.W.T. (めちゃくちゃ疲れる魔法テスト) 試験で少なくとも5科目において「優 (Exceeds Expectations)」以上の成績を収める必要があります。特に重要視される科目は以下の通りです。
- 適性審査: 学業成績を満たした後、候補者は魔法省による一連の厳格な適性検査と人物評価に合格しなければなりません。これには、プレッシャー下での実技能力などが含まれます。
- 専門訓練: 候補者として認められた後も、さらに3年間の厳しい専門訓練が待っています。この訓練には、高度な戦闘魔法、変装と潜入、追跡術などが含まれ、ニンファドーラ・トンクスによれば、特に「隠蔽と変装 (Concealment and Disguise)」は重要な科目です。
この過酷なプロセスをすべて修了した者だけが、正式な闇祓いとして認められます。
既知の闇祓い
- アラスター・ムーディ (マッド-アイ): 史上最も有名かつ有能な闇祓いの一人。第一次魔法戦争で多くの死喰い人を捕らえたが、その過程で片目と片脚を失った。
- ジョン・ドーリッシュ: 魔法省に忠実な闇祓い。物語中、複数回にわたり呪文をかけられ、混乱させられる場面が見られる。
- ゴーウェン・ロバーズ: 第二次魔法戦争中にスクリムジョールの後を継いで闇祓い局長に就任した。
- ウィリアムソン: 神秘部の戦いに駆けつけた闇祓いの一人。
物語における活躍
名前の由来
“Auror” という言葉は、ローマ神話の夜明けの女神 Aurora に由来すると考えられています。これは、闇を払い、光(夜明け)をもたらす彼らの役割を象徴しています。
幕後情報
- ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーは、ホグワーツの戦いの後、キングズリー・シャックルボルト大臣の要請により、正式な訓練を一部免除され闇祓いになった。(Pottermore, J.K. ローリングのインタビュー)
- ハリー・ポッターは後に闇祓い局の局長に、史上最年少で就任した。(Pottermore)
- テセウス・スキャマンダーは、ニュート・スキャマンダーの兄であり、第一次魔法戦争よりも前の時代の著名な闇祓いであった。(映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)