リトル・ハングルトン

• タイプ: マグルたちの村
• 場所: イングランド、グレート・ハングルトンの近く
• 所有者 / 住民: リドル家、ゴーント家（歴史的に）、その他多数のマグル
• 重要な特徴: 丘の上に建つリドル家の屋敷、森の中に隠されたゴーントの小屋、教会と墓地、パブ「首吊り人のいる酒場」

リトル・ハングルトンは、谷間に位置する小さなマグルの村です。村の中心には教会と墓地があり、その向かいには「首吊り人のいる酒場」という名のパブがあります。村を見下ろす丘の上には、かつて村で最も壮麗な邸宅であったリドル家の屋敷が建っています。 この村は、魔法界の歴史において極めて重要な二つの旧家の故郷でした。一つは裕福なマグルの地主であったリドル家、もう一つはサラザール・スリザリンの血を引く純血の魔法族、ゴーント家です。 20世紀初頭、ゴーント家のメローピー・ゴーントは、リドル家の息子であるトム・リドル・シニアに恋をし、惚れ薬を使って彼を誘惑しました。二人は駆け落ちしましたが、メローピーが惚れ薬の使用をやめると、トム・リドル・シニアは妊娠中の彼女を捨てて村へ戻りました。彼らの間に生まれた子供が、のちにヴォルデモート卿として知られることになるトム・マールヴォロ・リドルです。 1943年の夏、16歳になったトム・マールヴォロ・リドルは自らの出自をたどり、リトル・ハングルトンを訪れました。叔父のモーフィン・ゴーントから事実を聞き出した後、彼はリドル家の屋敷へ向かい、父親であるトム・シニアとその両親をアバダ・ケダブラの呪いで殺害しました。彼はモーフィンの記憶を改竄して罪を着せ、モーフィンはアズカバンで命を落としました。

リトル・ハングルトンは、ヴォルデモート卿の過去と復活に深く関わる場所として、物語の中で決定的な役割を果たします。

• 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』:
  1. 物語の冒頭で、リドル家の屋敷の年老いた庭師フランク・ブライスが、屋敷に潜むヴォルデモート卿とワームテールの会話を盗み聞きし、殺害されます。この出来事は、ヴォルデモート復活の予兆となります。
  2. 物語のクライマックスで、三大魔法学校対抗試合の優勝杯（ポートキー）がハリー・ポッターとセドリック・ディゴリーをリトル・ハングルトンの墓地へ転送します。
  3. この墓地で、ワームテールはセドリックを殺害し、トム・リドル・シニアの墓の骨、僕の肉、敵の血を用いてヴォルデモート卿を完全に復活させる儀式を執り行います。
  4. 復活したヴォルデモートは死喰い人を召喚し、ハリーと決闘します。この時、二人の杖の間で逆呪文 (プライオア・インカンタート) が発生し、ハリーは辛くも脱出に成功します。
• 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』:
  1. ダンブルドアが憂いの篩を使い、魔法省の役人であったボブ・オグデンの記憶をハリーに見せます。
  2. この記憶の中で、オグデンはリトル・ハングルトンにあるゴーントの小屋を訪れ、そこで暮らすマールヴォロ、モーフィン、メローピー・ゴーントの横暴さと貧困を目の当たりにします。
  3. この記憶を通じて、ハリーはマールヴォロ・ゴーントの指輪がゴーント家の家宝であり、のちにヴォルデモートの分霊箱の一つとなったことを知ります。

• リドル家の屋敷: 丘の上に建つ、かつては壮麗だったが現在は荒れ果てた屋敷。ヴォルデモートが復活前に一時的な隠れ家として使用しました。
• ゴーントの小屋: 森の中に隠れるようにして建っている、極めて不潔で荒廃した小屋。サラザール・スリザリンの子孫であるゴーント家の住処でした。
• リトル・ハングルトンの墓地: 村の教会に隣接する墓地。リドル家代々の墓があり、特にトム・リドル・シニアの墓石はヴォルデモート卿の復活儀式で中心的な役割を果たしました。
• 首吊り人のいる酒場: 村のパブ。リドル一家殺人事件の後、村人たちが噂話に花を咲かせた場所です。

• 英語名の “Little Hangleton” の “Hangleton” は “hanging”（首吊り）を連想させ、村のパブの名前「首吊り人のいる酒場 (The Hanged Man)」や、村で起きた陰惨な殺人事件と響き合っています。