夢占い神託

夢占い神託(原題: The Dream Oracle)の具体的な装丁や物理的な特徴について、原作小説での詳細な記述はありません。占い学の授業で使用される標準的な教科書の一つであると考えられます。

夢占い神託は、占い学の一分野である夢解釈のための手引書です。本書は夢に出てくる様々なシンボル(例:溺れる、落ちる、試験に落ちる)を解説し、それらが現実世界で何を予兆しているのかを解読するための辞書として機能します。

  • ホグワーツ魔法魔術学校では、シビル・トレローニー教授が教える占い学の授業で、3年生からの指定教科書として使用されます。
  • 生徒たちは本書を参考にして、自分たちが見た夢を解釈し、それを「夢日記」として記録する宿題を課されます。
  • ハリー・ポッターロン・ウィーズリーは、しばしば本書を利用して宿題のために夢の内容をでっち上げていました。彼らの解釈は現実的で平凡なものでしたが、トレローニー教授は常にそれを死や苦難といった破滅的な予兆として再解釈しました。
  • 本書の限界として、ヴォルデモート卿の精神と繋がったハリーが見る予言的な夢やビジョンを解釈するには全く役に立ちませんでした。これらの夢は通常の夢ではなく、分霊箱である額の傷跡を通した精神的な侵入であったため、夢占い神託が扱う領域を遥かに超えていました。

著名な夢見の達人であるイニゴ・イマーゴによって執筆されました。いつ出版されたかについての正確な年代は不明ですが、ハリー・ポッターホグワーツに入学した時点では、占い学の標準的な教科書として確立されていました。 1993年から1994年のホグワーツの学年度に、選択科目として占い学を履修した3年生に初めて導入されました。

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で初めて登場し、占い学という学問の曖昧さや非科学的な側面を象徴する道具として描かれます。ハリーロンが宿題を捏造する場面は、物語にコミカルな要素を加えています。 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、物語はより深刻な局面を迎えます。ハリー神秘部へと続く廊下の夢に繰り返し悩まされますが、夢占い神託は彼の苦悩を解決するどころか、その夢の異常性を浮き彫りにするだけでした。これは、学問としての占い学と、ハリーヴォルデモート卿の間で実際に起こっている命がけの予言や精神的繋がりとの間の断絶を示しています。

著者の名前「イニゴ・イマーゴ (Inigo Imago)」は、言葉遊びである可能性が高いです。「イマーゴ (Imago)」はラテン語で「イメージ」や「像」を意味し、夢の内容と関連しています。