ウィゲンウェルド薬

ウィゲンウェルド薬は、その外見について原作小説に記述が存在しない。しかし、この薬が頻繁に登場するビデオゲームシリーズやその他の派生作品では、一般的に鮮やかな緑色の液体として描かれることが多い。(ビデオゲーム設定) 一部の媒体では、効力の度合いによって色が異なる場合がある。

ウィゲンウェルド薬は、軽度の怪我を癒し、体力を回復させる効果を持つ基本的な回復薬である。その主な用途は以下の通りである。

  • 治癒効果: 軽微な切り傷、打撲などの物理的な損傷を癒す。
  • 体力回復: 疲労や消耗した体力を回復させる。この効果のため、特にビデオゲーム作品においてハリー・ポッターが冒険中に多用する。(ビデオゲーム設定)
  • 覚醒効果: 魔法によって引き起こされた眠りを覚ます効果がある。特に、生ける屍の水薬 (Draught of Living Death) に対する解毒薬として機能することが知られている。(Pottermore)

この薬は、ホグワーツ魔法魔術学校魔法薬学の授業で初期に学習する基本的な魔法薬の一つとされている。(Pottermore)

この魔法薬に関する最も有名な逸話は、Pottermore で明かされた「眠れる王子」の物語である。(Pottermore) 昔、ある魔女が黒いマッシュルームで要塞を築き、その周囲を深い眠りに誘うオーラで満たした。近くの城に住む王子がこの要塞を調査しようと試みたが、オーラに触れて生ける屍の水薬を飲んだかのような深い眠りに落ちてしまった。多くの者が王子を目覚めさせようと試みたが、失敗に終わった。 そこに現れた若い魔女が、唇にウィゲンウェルド薬を塗り、王子の唇にキスをした。すると、薬の効果によって王子は眠りから覚めた。この物語は、ウィゲンウェルド薬が強力な覚醒効果を持つことを示す逸話として知られている。

注意:この魔法薬は、J・K・ローリングによる原作小説7部作には一切登場しない。 ウィゲンウェルド薬は、主に『ハリー・ポッター』シリーズのビデオゲームで広く知られるようになった。ゲーム内では、プレイヤーの体力を回復するための主要なアイテムとして機能し、ゲームプレイの根幹を支える重要な役割を担っている。特に、初期の作品から近年の『ホグワーツ・レガシー』に至るまで、一貫して基本的な回復アイテムとして登場する。(ビデオゲーム設定) Pottermore(現在の Wizarding World)によって公式の背景設定が追加されたことで、ゲーム内のアイテムという位置づけから、より広範な魔法ワールドの世界観を構成する一要素として認識されるようになった。

  • 名称の由来: 「Wiggenweld」という名前は、古英語の要素を組み合わせた造語である可能性がある。「Wig」は「戦い」を意味し、「weld」は「接合する、融合する」を意味する動詞である。このことから、「戦いによる傷を癒し、元通りにする」という意味合いが込められていると考えられる。
  • 派生作品での起源: この魔法薬が初めて登場したのは、原作第一作『ハリー・ポッターと賢者の石』のビデオゲーム版であり、ゲームシステム上の「体力回復アイテム」という必要性から生み出された設定である。
  • 材料の不一致: ウィゲンウェルド薬の材料は、登場する媒体によって異なる。
    • Pottermore では、ウィゲンツリーの樹皮、モーリー (Moly)、ディタニー (Dittany) の若芽、ハナハッカなどが挙げられている。
    • ビデオゲーム『ホグワーツ・レガシー』では、ホークランプの汁とディタニーの葉という、よりシンプルな材料で調合される。(ホグワーツ・レガシー)