魔法アイテム
概要
魔法アイテム (Magical Item) は、魔法の力が付与された、あるいは魔法的な特性を内包するあらゆる物品を指す、魔法ワールドにおける広範なカテゴリである。これらのアイテムは、魔法使いや魔女の日常生活を便利にするための道具から、強力な力を秘めた伝説的な工芸品、さらには危険な闇の魔術に関連するものまで、多岐にわたる。 その製造には、しばしば特定の呪文や魔法薬、魔法生物由来の素材が用いられる。アイテムの機能は、所有者の能力を補助・増幅するもの、特定の魔法効果を自動で発動させるもの、あるいは独自の意志を持つかのように振る舞うものまで様々である。魔法省は、特定の危険な魔法アイテムの製造や所持を法律で厳しく規制している。
魔法アイテムの分類
魔法アイテムは、その機能、希少性、法的地位によって、以下のように大別できる。
- 伝説的なアーティファクト
物語の中核を成す、比類なき力を持つ伝説のアイテム。
- みぞの鏡 (The Mirror of Erised): 見る者の心の奥底にある最も強い望みを映し出す鏡。
- 組分け帽子 (The Sorting Hat): ホグワーツ魔法魔術学校の四人の創設者によって作られ、新入生の寮を決定する。
- 交通手段
魔法使いが長距離または短距離を移動するために使用するアイテム。
- 暖炉の煙突飛行ネットワーク (The Floo Network): 煙突飛行粉 (Floo Powder) を使い、暖炉から暖炉へと移動する。
- ポートキー (Portkeys): 触れた者を特定の時間に特定の場所へ瞬時に移動させる魔法のかかった日用品。
- 夜の騎士バス (The Knight Bus): 緊急事態にある魔法使いを乗せる、猛スピードで走る三階建てバス。
- 姿現し (Apparition) の補助具: 姿現しのテストで使用されるフープなど。
- 学用品・文房具
主にホグワーツの生徒が学業のために使用する道具。
- 杖 (Wands): 魔法使いの力を増幅し、方向づけるための最も重要な道具。
- 羽根ペン (Quills): 自動筆記羽根ペンや、インクの色が変わる羽根ペンなど様々な種類が存在する。
- 羊皮紙 (Parchment): 魔法使いが筆記に用いる紙。
- 通信用具
遠隔地の相手とコミュニケーションを取るためのアイテム。
- 吼えメール (Howlers): 手紙を開くと、差出人の声が魔法で増幅されて怒鳴りつける赤い手紙。
- 防衛・探知用具
危険を察知したり、使用者を防御したりするためのアイテム。
- 思い出だま (Remembralls): 所有者が何かを忘れていると、中の煙が赤く染まるガラス玉。
- 敵鏡 (Foe-Glasses): 敵の姿がぼんやりと映し出され、近づくにつれてはっきりする鏡。
- デコイ・デトネーター (Decoy Detonators): 陽動のために使い、大きな音を立てて煙を出す黒い角笛のようなもの。
- 悪戯用具
主に悪戯やジョークのために作られたアイテム。
- 闇の魔術に関連するアイテム
闇の魔術に分類される、極めて危険な魔法がかけられた物品。
- 分霊箱 (ホークラックス) (Horcruxes): 魂を分割し、その一部を納めることで不死性を得るための容器。
- 栄光の手 (Hand of Glory): 絞首刑になった殺人者の干からびた手で、持ち主以外には照らせない光を放つ。
- オパール・ネックレス (Opal Necklace): ボージン・アンド・バークス店で売られていた、呪いによってこれまでに19人のマグルの命を奪ったとされるネックレス。