姿現し
基本情報
詳細と原理
姿現しは、術者が自らの体を意図的に消失させ、目的地で再構成する極めて高度な魔法である。成功すると、術者は「ポン!」という大きな音(しばしばマグルには車のバックファイアと間違えられる)と共に姿を消し、目的地で同様の音を立てて現れる。 この魔法の実行には強い精神集中が求められ、三大要素のいずれかが欠けると深刻な失敗を招く可能性がある。最も一般的な失敗は 身外し (Splinching) と呼ばれ、術者の体の一部が移動元に取り残されてしまう現象である。これは激しい痛みを伴い、非常に危険である。作中では、スーザン・ボーンズが眉毛を、ロン・ウィーズリーは腕の肉を一部置き去りにした。 術者が姿現しを経験する際の感覚は、非常にきつく、息が詰まるようなゴムチューブの中を無理やり押し込まれるような、不快なものだと描写されている。
学習と免許
姿現しは危険を伴うため、魔法省によって厳しく規制されている。ホグワーツ魔法魔術学校では、生徒が17歳になる6年生の学年で、魔法省から派遣された専門の教官(ハリー・ポッターの学年ではウィルキー・トワイクロス)による12週間の有料講習が提供される。 講習を終え、17歳の誕生日を迎えた生徒は、魔法省の試験官による「姿現し試験」を受ける資格を得る。試験は、指定された場所へ正確に姿を現せるかどうかが問われる。フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーは一度で合格したが、ロン・ウィーズリーは眉毛の半分を置き去りにしたことで不合格となり、後に再試験で合格した。ハーマイオニー・グレンジャーは最初の試験で見事に合格している。
関連する魔法と制限
- 二人現し (Side-Along Apparition): 免許を持つ術者が、他の人(または生物)に直接触れた状態で一緒に姿現しを行うこと。同伴者は免許を持っている必要はないが、移動の感覚は一人で行う場合よりもさらに不快だとされる。アルバス・ダンブルドアは、この方法でハリー・ポッターを何度も移動させた。
物語における重要な使用例
幕後情報
- 映画版では、姿現しは視覚的に多様に表現された。通常の魔法使いは渦を巻くように消えたり現れたりするが、死喰い人は不吉な黒い煙のような姿で移動する特殊なエフェクトで描かれた。これは映画独自の演出である。(映画設定)