伸び耳
基本情報
- タイプ (Type): 魔法道具、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ製悪戯グッズ
- 製造者 (Maker): フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリー
記述と外観
伸び耳は、非常に長い肉色の紐で、一方の端は使用者の耳に挿入し、もう一方の端は盗み聞きしたい会話の近く(例えば、ドアの下など)に滑り込ませるように設計されている。紐は目立たないように作られており、遠目には奇妙なミミズのように見えることもある。
魔法特性と用途
伸び耳の主な機能は盗聴である。使用者は、分厚いドアなどの物理的な障害物を越えて、遠く離れた場所の会話を明瞭に聞き取ることができる。この道具は、ウィーズリー家の双子が開発した数々の悪戯グッズの中でも、特に実用的な発明品の一つである。
- 使用方法: 紐の片端を耳に入れ、もう片方を目標の会話が行われている場所まで伸ばす。
- 制限: 伸び耳は完璧ではなく、魔法的な防御や物理的な妨害に対して脆弱である。例えば、不死鳥の騎士団がグリモールド・プレイス十二番地で会議をしていた際、ドアにはインパータバブル・チャーム(妨害されぬ呪文)がかけられており、伸び耳はそれを通過できなかった。また、モリー・ウィーズリーが投げつけた糞爆弾で撃退されたり、ハーマイオニーのペットであるクルックシャンクスに攻撃されたりすることもあった。
歴史
伸び耳は、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーがホグワーツ魔法魔術学校在学中に発明した。彼らはこの発明品を、自分たちの悪戯専門店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの主力商品の一つとして開発していた。 この道具が物語で初めて重要な役割を果たしたのは、1995年の夏、ハリー・ポッターたちがグリモールド・プレイス十二番地に滞在していた時である。ハリー、ロン、ハーマイオニー、そしてウィーズリー家の子供たちは、これを使って不死鳥の騎士団の会議内容を盗み聞きしようと試みた。
物語における役割
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』において、伸び耳は物語の重要な情報源として機能する。これを通じて、ハリーたちはヴォルデモート卿が「前回持っていなかった武器」を探していることや、騎士団がシリウス・ブラックの身の安全を懸念していることなど、断片的ながらも重要な情報を得る。この情報は、ハリーが神秘部の予言をめぐる謎に引き込まれていくきっかけの一つとなった。 また、伸び耳はフレッドとジョージの類まれな発明の才能と、彼らのビジネスがダイアゴン横丁で成功を収める前触れを象徴するアイテムでもある。
幕後情報
映画版『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、伸び耳は原作の記述に忠実に視覚化されており、フレッドとジョージがそれを操って騎士団の会議を盗み聞きしようとする場面が描かれている。(映画設定)