ニンバス2000

ニンバス2000は、1991年に発売された当時、市場で最も速いとされた最高級のレース用ほうきです。 柄はなめらかな マホガニー 製で、光沢があり洗練された外観をしています。柄の上部には金文字で 「ニンバス2000」 というモデル名が刻印されています。尾の部分は、まっすぐで美しく整えられた小枝で構成されており、優れた空力特性と安定性を提供します。 ハリー・ポッター が初めてこのほうきを手にした際、その完璧なデザインと品質に感嘆しました。

ニンバス2000の主な用途は、高速での飛行と クィディッチ の競技です。その卓越したスピードと操作性により、特に シーカー にとっては大きなアドバンテージとなりました。

  • スピード: 発売当時、他のどのほうきよりも速く、クィディッチ の試合で相手チームを圧倒するのに十分な性能を誇りました。
  • 操作性: バランスが良く、鋭いターンや急降下といった複雑な飛行も容易に行うことができました。ハリー・ポッター はこのほうきを駆使して、数々の試合で 金のスニッチ を捕獲しました。
  • 安定性: 高速飛行中でも安定しており、乗り手は安心して飛行に集中することができました。

ニンバス2000は、1991年に ニンバス・レーシング・ブルーム・カンパニー によって市場に投入され、すぐに人気モデルとなりました。 同年、ホグワーツ魔法魔術学校 に入学した ハリー・ポッター は、最初の飛行術の授業で類稀なる才能を見せました。それに気づいた ミネルバ・マクゴナガル 教授は、1年生は自分のほうきを持つことを禁じる校則を特例として破り、グリフィンドール・チームの新しい シーカー となるハリーのためにこのニンバス2000を買い与えました。 ハリーはこのほうきを2年間にわたって愛用し、グリフィンドール を多くの勝利に導きました。しかし、3年生の時の ハッフルパフ との試合中、グラウンドに現れた 吸魂鬼 (ディメンター) の影響でハリーは意識を失い、ほうきから落下してしまいます。乗り手を失ったニンバス2000は制御不能に陥り、校庭の 暴れ柳 に激突して粉々に破壊されてしまいました。

ニンバス2000は、ハリーにとって単なる道具以上の意味を持つ重要なアイテムです。

  • 才能の象徴: このほうきは、ハリーが魔法界で初めて自分の才能を認められ、輝ける場所を見つけたことの象徴です。クィディッチ は、彼が「選ばれし者」としてではなく、一人の優れた選手として評価される数少ない機会でした。
  • 初めての宝物: ダーズリー家で何も与えられずに育ったハリーにとって、ニンバス2000は人生で初めて手にした真の宝物であり、大切にしていました。
  • 物語の転換点: ほうきの破壊は、ハリーの3年生における困難の始まりを象徴する出来事でした。しかし、この喪失があったからこそ、後に名付け親である シリウス・ブラック から匿名の贈り物として ファイアボルト を受け取ることになり、物語の新たな展開へと繋がっていきます。
  • 映画版では、ニンバス2000の柄と尾を繋ぐ部分に精巧な金色の金属パーツや、折りたたみ式の足置きがデザインされていますが、これらは原作小説にはない詳細な描写です。(映画設定)