ニンバス1000

ニンバス1000の具体的な外観に関する記述は、原作小説および公式副読本には存在しない。しかし、その性能は画期的であり、それまでの競技用箒とは一線を画す存在であった。後継モデルであるニンバス2000が流線型で洗練されたデザインであったことから、ニンバス1000も同様に品質の高い素材と職人技によって作られていたと推測される。

ニンバス1000は、主に高速飛行とクィディッチの競技用に設計された高性能な競技用箒である。その魔法の特性は、発売当時において他の追随を許さないものであった。

  • 最高速度: これまでの箒では考えられなかった時速100マイル(約160km/h)に達する速度を誇った。
  • 機動性: その場で360度の静止回転が可能であり、極めて高い敏捷性を実現した。
  • 安定性と操作性: 当時の信頼性の高い箒であったオークシャフト79の安定性と、クリーンズウィープシリーズが持つ最高の機敏さを兼ね備えていた。これにより、乗り手は高速飛行中でも安定したコントロールを維持できた。(クィディッチ今昔)

ニンバス1000は、1967年にニンバス・レーシング・ブルーム・カンパニーによって市場に投入された。この箒の登場は箒業界に革命をもたらし、同社を一躍、競技用箒市場のトップメーカーへと押し上げた。 発売後、ニンバス1000はヨーロッパ中のプロのクィディッチチームが標準装備として採用するほどの絶大な人気を博した。この成功により、ニンバス社はニンバス1001ニンバス1500ニンバス1700、そして物語でハリー・ポッターが手にするニンバス2000といった、さらなる後継モデルを開発する基盤を築いた。ニンバス1000は、現代の競技用箒の礎を築いた伝説的なモデルとされている。(クィディッチ今昔)

ニンバス1000は、『ハリー・ポッター』シリーズの小説本編には直接登場しない。しかし、物語の背景において重要な役割を担っている。 この箒は、ハリー・ポッターが1年生の時にミネルバ・マクゴナガルから贈られたニンバス2000の直接の先代モデルである。ニンバスシリーズの初代モデルとして、ニンバス1000の存在は、ハリーが手にした箒がいかに先進的で優れたものであるかを読者に理解させるための文脈を提供している。それは、後の光輪2001ファイアボルトといったさらなる技術革新へと続く、箒の進化の歴史における重要な出発点として位置づけられる。

  • ニンバス1000に関する詳細な情報のほとんどは、J.K. ローリングが執筆した副読本『クィディッチ今昔』 (Quidditch Through the Ages) に記載されているものであり、小説本編では言及されていない。