ケンタウロス
基本情報
- 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): XXXX(危険/飼育または訓練には専門知識が必要) (『幻の動物とその生息地』)
- 知性 (Intelligence): 人間と同等またはそれ以上
- 原産地 (Native to): ギリシャ、現在は世界中に分布
- 生息地 (Habitat): 森林
- 特徴 (Distinctions): 人間の上半身と馬の下半身を持つ、天体観測と占い学に長けた誇り高い種族
身体的特徴と生態
ケンタウロスは、人間の頭部、胴体、腕と、馬の身体を持つ魔法生物です。その毛色や髪の色は、フィレンツェのような栗色からベインのような黒毛まで様々です。彼らは「群れ (herd)」と呼ばれる社会集団を形成し、主に森林の奥深くに生息しています。 彼らの生態の詳細は不明な点が多いですが、非常に縄張り意識が強く、森に侵入する者に対しては警戒心を怠りません。また、その頑健な肉体は、弓矢による攻撃だけでなく、強力な蹴りによる直接的な戦闘も可能にします。
社会と文化
ケンタウロスの社会は、独自の厳格な法と伝統に基づいており、特にプライドと種族の独立性を重んじます。彼らは人間、特に魔法使いに対して深い不信感を抱いており、魔法界の政治や争いから距離を置くことを信条としています。 彼らの文化の根幹をなすのは天体観測です。ケンタウロスは星々の動きから未来を読み解くことに長けており、「惑星は何よりも雄弁である」と考えています。彼らにとって、星の示す運命に干渉することは愚かな行為と見なされます。このため、人間に助力したフィレンツェは、自身の群れから追放されるという厳しい罰を受けました。 彼らはまた、熟練した射手でもあり、弓矢の扱いに非常に長けています。
魔法界との関係
ケンタウロスと魔法省の関係は、長年にわたり緊張状態にあります。彼らは魔法省による分類を侮辱と捉えています。魔法生物規制管理部は彼らを「動物 (Beast)」に分類しましたが、ケンタウロスは自らを「ヒト (Being)」以上の存在であると考えています。 彼らは自ら「動物」の地位に留まることを選択しましたが、それはマーピープル(水中人)や他の準人間種族と共同で「ヒト」の地位を得ることを拒んだためです。この結果、彼らは魔法使いの法から独立した存在として扱われることになりました。魔法省に設置された「ケンタウロス連絡室」は、彼らにとって侮辱の象徴であり、一度も利用されたことはありません。
物語における役割
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- ドローレス・アンブリッジがケンタウロスの群れを侮辱し攻撃したため、彼らはアンブリッジを森の奥深くへと連れ去りました。この事件の後、アルバス・ダンブルドアの依頼でホグワーツ魔法魔術学校の占い学教授となったフィレンツェは、種族の掟を破ったとして群れから追放されます。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
著名なケンタウロス
名前の由来と神話
ケンタウロスは、ギリシャ神話に登場する半人半馬の種族に由来します。神話におけるケンタウロスは、多くが野蛮で野性的と描かれますが、一部には英雄たちの師となった賢者ケイローン (Chiron) のような例外も存在します。『ハリー・ポッター』シリーズのケンタウロス、特にフィレンツェの賢明で思慮深い性質は、このケイローンのイメージを反映していると考えられます。
幕後情報
- (映画設定)映画版では、ケンタウロスのデザインはCGIによって写実的に表現されています。『不死鳥の騎士団』では、原作通りアンブリッジを森へ連れ去るシーンが描かれましたが、『死の秘宝 PART2』におけるホグワーツの戦いでの活躍は、原作に比べて簡略化されています。