ゴーームレイス・ゴーント

ゴーームレイス・ゴーント

ゴーームレイス・ゴーント (Gormlaith Gaunt) は、17世紀に生きた純血の闇の魔女であり、サラザール・スリザリン の直系の子孫、そして悪名高い ゴーン卜家 の一員です。彼女は、イルヴァーモーニー魔法魔術学校 の創設者である姪の イゾルト・セイア の物語における主要な敵対者として登場します。ゴーームレイスは、ゴーン卜家の持つ純血主義の狂信と残忍さを象徴する人物であり、彼女のイゾルトに対する執拗な追跡が、結果的に北米の偉大な魔法学校の設立につながりました。(Pottermore)

ゴーームレイス・ゴーントに関する全ての情報は、J.K.ローリングがウェブサイト「Pottermore」で発表した「イルヴァーモーニー魔法魔術学校」のバックストーリーに由来します。 ゴーームレイスは、アイルランドの有名な純血の魔法族である ゴーン卜家 に生まれました。彼女は一族の純血思想を狂信的に信奉しており、マグルやマグル生まれの魔法使いを激しく嫌悪していました。彼女の妹リオナックが、愛情深く親切なマグル生まれの魔法使いウィリアム・セイアと結婚したとき、ゴーームレイスはこれを一族への裏切りと見なしました。 復讐心に燃えたゴーームレイスは、セイア夫妻の家に火を放って二人を殺害し、生き残った幼い姪の イゾルト・セイア を誘拐しました。彼女はイゾルトをアイルランドのカーム・ア・カリー(魔女の谷)にある小屋に監禁し、外部の世界やマグルから隔離して育てました。ゴーームレイスはイゾルトが ホグワーツ魔法魔術学校 から入学許可証を受け取った際にそれを燃やし、ホグワーツ はマグル生まれで汚染された危険な場所だと教え込みました。 1620年、イゾルトはゴーームレイスが所有していた サラザール・スリザリンの杖 を盗み出し、メイフラワー号に乗ってアメリカ大陸へと逃亡しました。ゴーームレイスは姪の逃亡に気づくと激怒し、長年にわたって彼女の行方を追い続けました。 やがて彼女はイゾルトがマサチューセッツ州のグレイロック山に定住し、マグルと結婚して家庭を築き、さらには魔法学校を設立したことを突き止めます。ゴーームレイスは復讐を果たすため、強力な呪文でイゾルトと夫のジェームズを深い眠りに陥らせ、イルヴァーモーニー魔法魔術学校 を襲撃しました。彼女は パーセルタング を使って サラザール・スリザリンの杖 を眠らせ、イゾルトを武装解除させましたが、イゾルトの養子であるチャドウィックとウェブスター、そしてイゾルトの幼い娘たちの愛の力によって妨害されます。最終的に、イゾルトの友人であった パクワジ のウィリアムが放った毒矢によって、ゴーームレイスはその場で絶命しました。(Pottermore)

原典においてゴーームレイスの外見に関する詳細な記述はありません。しかし、彼女の性格は極めて残酷狂信的、そして執念深いものとして描かれています。

  • 純血至上主義:彼女は ゴーン卜家 の思想を体現しており、純血の血筋を何よりも重んじ、マグルやマグル生まれを汚れた存在として徹底的に見下しています。妹夫婦を殺害したことからも、その思想の過激さがうかがえます。
  • 支配的かつ虐待的:姪である イゾルト・セイア を長年監禁し、心理的に支配しようとしました。彼女の教育方針は、恐怖と偽りに満ちたものでした。
  • 復讐心と執念:イゾルトに逃げられた後、何年もかけて大西洋を渡り、彼女を追跡したことから、その執念深さが分かります。彼女の行動は全て、裏切られたという思い込みと復讐心に突き動かされていました。

ゴーームレイスは、非常に強力で熟練した闇の魔女でした。

  • イゾルト・セイア:姪。ゴーームレイスはイゾルトの両親を殺害した犯人であり、彼女を長年監禁した虐待者です。二人の関係は、イルヴァーモーニー創設物語の中心的な対立軸となっています。
  • リオナック・ゴーント:妹。マグル生まれと結婚したことでゴーームレイスの怒りを買い、夫と共に殺害されました。
  • ゴーン卜家:彼女は マールヴォロ・ゴーントヴォルデモート卿 の先祖にあたり、一族の狂信的な純血主義と闇の魔術への傾倒を象徴する存在です。
  • ウィリアム (パクワジ):イゾルトの友人であり、最終的にゴーームレイスを殺害した魔法生物。彼の存在は、ゴーームレイスが理解できなかった新世界の魔法を象徴しています。
  • Gormlaith (ゴーームレイス):古代アイルランドの女性名で、「gorm」(青、または高貴な)と「flaith」(君主、王女)を組み合わせたものです。歴史上、悲劇的または暴力的な運命を辿ったアイルランドの女王たちの名前でもあり、彼女のキャラクター設定と一致します。
  • Gaunt (ゴーント):英語で「痩せこけた」「やつれた」を意味する形容詞。この姓は、近親相姦と貧困によって衰退していった ゴーン卜家 の荒廃した様子を象徴しています。
  • ゴーームレイス・ゴーントは、J・K・ローリング が執筆したウェブサイト ポッターモア (現在の Wizarding World) のオリジナルコンテンツ、「イルヴァーモーニー魔法魔術学校」の物語で初めて登場したキャラクターです。『ハリー・ポッター』シリーズの小説本編には一切登場しません。
  • 彼女の物語は、サラザール・スリザリンゴーン卜家 の血脈が、旧世界(ヨーロッパ)から新世界(北米)へと渡り、そこで新たな魔法文化とどのように衝突したかを描くための重要な橋渡し役となっています。(Pottermore)