ダイヤモンド

ダイヤモンドは、魔法界マグル界の両方で非常に価値のある宝石として知られている。原作の物語において、ダイヤモンドはそれ自体が特定の魔法的特性を持つとは明確に描写されていないが、非常に価値が高く、強力な魔法の道具や装飾品に組み込まれることが多い。その存在は、対象物の重要性、美しさ、そして所有者の富や地位を象徴する役割を担っている。

物語の中でダイヤモンドが登場する、あるいは言及される主な物品は以下の通りである。

  • レイブンクローの髪飾り (Ravenclaw's Diadem): 最も有名かつ物語上重要な、ダイヤモンドを含む物品である。この髪飾りはロウェナ・レイブンクローが所有していた伝説的な品であり、装着者に知恵を授けると言われていた。後にヴォルデモート卿によって魂器 (Horcrux) の一つに変えられた。原作の『ホグワーツの歴史』からの引用によれば、この精巧な銀製の髪飾りにはサファイアと共に「きらきらと輝く小さなダイヤモンド」が鷲の翼の部分に嵌め込まれていたと記述されている。これは、髪飾りが穢される前の本来の壮麗さを示している。
  • フラー・デラクールの叔母のティアラ: ビル・ウィーズリーフラー・デラクールの結婚式で、フラーが身につけたティアラ。ウィーズリーおばさんがゴブリン製のティアラを貸そうと申し出た際、フラーは「叔母がダイヤモンドと月長石のティアラを貸してくれる」と述べている。このティアラの存在は、フランスの魔法族であるデラクール家の裕福さを示唆している。
  • 魔法省の噴水「魔法は力なり」: 不死鳥の騎士団の時代に魔法省のアトリウムに設置されていた「魔法は力なり」の像(映画版では「魔法族の泉」)では、魔女と魔法使いが掲げるの先端が「本物のダイヤモンドのように」きらめいていたと描写されている。これは魔法省の権威と壮大さを演出するための装飾的な使用例であるが、アルバス・ダンブルドアヴォルデモート卿の決闘の際に破壊された。
  • 映画版では、レイブンクローの髪飾りは原作の描写よりも複雑で、より多くの宝石が散りばめられたデザインで描かれており、ダイヤモンドの存在感が視覚的に強調されている。(映画設定)