ホグワーツの歴史
基本情報
- タイプ: 書籍 (歴史書)
- 著者: バチルダ・バグショット
概要と外観
『ホグワーツの歴史』は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設から現代に至るまでの歴史、建築、そして魔法的特性について詳述した、魔法界で最も権威ある歴史書です。著者は著名な魔法史家であるバチルダ・バグショットです。 原作において本書の具体的な装丁に関する詳細な記述はありませんが、ハーマイオニー・グレンジャーが頻繁に引用し、携帯していることから、相当な厚みと重さを持つ書物であることが示唆されています。魔法界の学生や研究者にとって、ホグワーツに関する最も信頼できる情報源とされています。
魔法的特性と用途
本書自体が能動的な魔法を発動するわけではありませんが、その内容はホグワーツにかけられた数多くの古代魔法や規則を理解するための鍵となります。本書は魔法的な知識の宝庫であり、その主な用途は情報提供です。 本書から得られる重要な情報には以下のようなものがあります。
- 建築物の魔法: 大広間の天井が魔法によって外の空模様を映し出すことや、城内の階段が動くことなど、ホグワーツの建築に施された魔法の詳細が解説されています。
- 創設者に関する公式見解: ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、そしてサラザール・スリザリンという四人の偉大な魔法使いによる学校の創設に関する公式の歴史が語られています。ただし、秘密の部屋のような、学校にとって不都合な伝説については詳細な記述を避けている側面もあります。
歴史
『ホグワーツの歴史』は、魔法史の第一人者であるバチルダ・バグショットによって執筆されました。その網羅的かつ正確な内容から、出版後すぐにホグワーツに関する魔法界における決定版の文献としての地位を確立しました。 本書は長年にわたり版を重ね、多くのホグワーツ生にとって必読書または重要な参考書と見なされています。特に学구心旺盛なハーマイオニー・グレンジャーは、入学前から本書を熟読しており、物語の初期においてハリー・ポッターとロン・ウィーズリーにホグワーツの謎を解説する際の主な情報源として本書を多用しました。
物語における役割
『ホグワーツの歴史』は、物語全体を通じて、読者と主人公たちにホグワーツという舞台の規則や背景を説明するための重要な「暴露装置 (exposition device)」として機能します。
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』: ハーマイオニーは、秘密の部屋に関する記述が本書にほとんどないことを指摘し、それが逆に伝説の信憑性を探るきっかけの一つとなります。公式の歴史書が触れたがらない「闇の歴史」の存在を示唆します。
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』: ホグワーツの厨房で多数の屋敷しもべ妖精が働いている事実をハーマイオニーが知ったのは、本書からでした。これが彼女が「屋敷しもべ妖精福祉振興協会 (S.P.E.W.)」を立ち上げる動機となります。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』: 物語の終盤、著者であるバチルダ・バグショット自身が物語の重要人物として登場します。彼女がゴドリックの谷に住んでいたこと、そしてアルバス・ダンブルドアやゲラート・グリンデルバルドと深い関係があったことが明らかになり、この本が単なる歴史書ではなく、より大きな謎と繋がる存在であることが示されました。
舞台裏情報
- J.K. ローリングは、実際に『Hogwarts: A History』というタイトルの書籍を執筆してはいませんが、作中に登場する他の教科書である『幻の動物とその生息地』や『クィディッチ今昔』は、関連書籍として現実世界で出版されています。（J.K.ローリング著の関連書籍）
- 映画版では、本書の小道具が作られ、特徴的な装飾が施された表紙デザインが与えられています。（映画設定）