ニワトコの杖
基本信息
- 所有者 (Owners):
- アンタイオク・ペベリル (初代)
- 邪悪なエメリック
- 極悪人エグバート
- ゴデロット
- ヒアワード
- バーナバス・デベリル
- ロキシアス
- アーカスおよび/またはリビウス
- ドラコ・マルフォイ (意図せずして忠誠心を得る)
- ハリー・ポッター (最後の所有者)
- 製造者 (Maker): 死 (『吟遊詩人ビードルの物語』の伝説による)
描述与外观
ニワトコの杖は、長さ 15インチ (約38センチメートル) の、ニワトコの木から作られた魔杖です。杖の芯には、極めて強力かつ扱いが難しいとされるセストラルの尻尾の毛が使われています (Pottermore)。杖の表面には、ニワトコの実の房を模した結び目のような彫刻が施されています。ゼノフィリウス・ラブグッドがハリーたちに見せた死亡圣器の印の説明図にも、その特徴的な形状が描かれていました。多くの登場人物が、その杖を一目見ただけで他の杖とは違う独特の雰囲気を感じ取っています。
魔法特性与用途
ニワトコの杖は、史上最強の杖として知られており、所有者が振るうあらゆる魔法の威力を格段に増幅させます。しかし、この杖の最大の特性はその忠誠心の移り方にあります。
- 忠誠心の獲得: ニワトコの杖の忠誠心は、前の所有者を打ち負かすことによってのみ得られます。打ち負かすとは、必ずしも殺害を意味せず、武装解除させることでも成立します。例えば、ドラコ・マルフォイは天文台の塔でアルバス・ダンブルドアの武装を解除したことで、意図せずして杖の真の所有者となりました。その後、ハリー・ポッターがマルフォイの館でドラコから彼の杖を力ずくで奪ったことにより、ニワトコの杖の忠誠心はハリーへと移りました。
历史
ニワトコの杖の歴史は、その所有権をめぐる血塗られた闘争の連続です。『吟遊詩人ビードルの物語』に収められた「三人兄弟の物語」によれば、この杖はペベレル三兄弟の長男、アンタイオク・ペベリルが死から与えられたものとされています。アンタイオクは決闘で敵を殺害して杖の力を誇示しましたが、その夜、力を欲した別の魔法使いに殺害され、杖を奪われました。 それ以来、杖は力ある闇の魔法使いたちの間を転々とします。「邪悪なエメリック」から「極悪人エグバート」へ、その後もゴデロット、ヒアワード、バーナバス・デベリル、ロキシアスといった者たちが次々と前の所有者を殺害して杖を手に入れました。 近代に入り、杖は著名な杖職人であるマイキュー・グレゴロビッチの手に渡りましたが、若き日のゲラート・グリンデルバルドによって盗み出されます。グリンデルバルドはこの杖の力でヨーロッパ中に恐怖を広げましたが、1945年、かつての親友であったアルバス・ダンブルドアとの伝説的な決闘に敗れ、杖はダンブルドアのものとなりました。 ダンブルドアは杖の血塗られた歴史を終わらせるため、自身が自然死することで杖の力を誰にも渡さずに消滅させる計画でした。しかし、セブルス・スネイプに殺される直前にドラコ・マルフォイによって武装解除されたため、杖の忠誠心はドラコに移ってしまいました。最終的にヴォルデモート卿との最終決戦において、ハリー・ポッターが杖の真の所有者であることが判明し、杖はヴォルデモートに向けられた死の呪いを所有者であるハリーに跳ね返し、闇の帝王を滅ぼしました。
在故事中的作用
ニワトコの杖は、物語の最終巻である『ハリー・ポッターと死の秘宝』における中心的な魔法アイテムです。それは究極の力を象徴し、ヴォルデモート卿がハリー・ポッターを打ち破り、死を克服するために追い求めた最後の切り札でした。 この杖の所有権の変遷は、物語のクライマックスにおけるどんでん返しの鍵となります。ハリーが、力そのものではなく、愛と犠牲によって最終的に勝利を収めるという物語の核心的なテーマを体現しています。ハリーは戦いの後、杖の強大な力を我が物とせず、まず自分の古い杖を直し、その後ニワトコの杖をダンブルドアの墓に戻すことを選びました。これは、権力への渇望を乗り越えた彼の精神的な成熟を示す重要な行動です。
幕后信息
- 名称の二重の意味: 英語名の “Elder Wand” の “Elder” には、植物の「ニワトコ」という意味と、「年長の」「強力な」という二つの意味が掛け合わされています。
- 映画との相違点: 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』では、ハリーは最終決戦の後、ニワトコの杖を真っ二つに折って谷底に捨てます。これは、杖をダンブルドアの墓に戻し、自分が天寿を全うした時にその力が失われるようにした原作の結末とは大きく異なります (映画設定)。