フェニックスの羽根

フェニックスの羽根

フェニックスの羽根は、魔法生物であるフェニックスの尾から採れる、極めて強力で希少な魔杖の芯材である。原作において、その具体的な外観に関する詳細な描写は少ないが、フェニックス本体が深紅と黄金の輝かしい羽根を持つことから、同様の色合いをしていると推測される。 ギャリック・オリバンダーは、ユニコーンの毛ドラゴンの心臓の琴線と並び、この芯材を最高品質のものの一つとして扱っているが、同時に最も希少であるとも述べている。

フェニックスの羽根を芯に持つ魔杖は、極めて特異な性質を示すことで知られている。

  • 広範な魔法: オリバンダーによれば、フェニックスの羽根を芯とする魔杖は「最も広範囲の魔法」を扱うことができる。
  • 主体性: 最も主体性を示す芯材であり、所有者の意図とは別に、自らの意志で行動することがある。この特性は、所有者が危機に瀕した際に顕著に現れる。
  • 忠誠心: 所有者となる魔法使いを非常に厳しく選ぶため、忠誠心を得るのが最も難しいとされる。一度忠誠を誓うと、極めて強力な魔杖となる。
  • 兄弟杖 (Brother Wands): 同じフェニックスから採れた羽根を芯に持つ魔杖同士は「兄弟杖」と呼ばれる。兄弟杖が互いに決闘を行うと、プリオリ・インカンタテム(呪文の逆戻し)として知られる、極めて稀な魔法現象を引き起こす。

アルバス・ダンブルドアのペットであるフェニックスフォークスは、生涯で二本の尾羽根を与えた。杖作り職人であるギャリック・オリバンダーは、その二本の羽根を芯にして二本の魔杖を製作した。 一本目の魔杖(イチイの木、13と2分の1インチ)は、1938年にトム・マールヴォロ・リドル(後のヴォルデモート卿)によって購入された。 二本目の魔杖(ヒイラギ、11インチ)は、その50年以上後、1991年にハリー・ポッターによって購入された。オリバンダーは、同じフェニックスの羽根が、正反対の宿命を持つ二人の魔法使いを選んだことに深い因縁を感じていた。

フェニックスの羽根から作られた兄弟杖は、ハリー・ポッターヴォルデモート卿の間の宿命的な繋がりを象徴する重要な要素である。

  • J.K. ローリングは公式サイト Pottermore において、フェニックスの羽根を魔杖の芯としてさらに詳しく解説している。それによると、この芯は最も希少であり、その忠誠心は勝ち取るのが最も困難であるとされている。また、時に所有者を批判するかのように振る舞うため、全ての魔法使いに好まれるわけではない。(Pottermore)