ブラッジャー

ブラッジャー (Bludger) は、直径10インチ(約25.4センチメートル)の鉄製のボールで、漆黒の色をしています。その外見は、魔法使いの世界のものではない大砲の弾に例えられるほど、重厚で危険な印象を与えます。試合中は2個のブラッジャーが使用されます。

ブラッジャーには、空中を自律的に飛び回り、最も近くにいる選手をチームに関係なく無差別に攻撃するようにという、原始的で凶暴な魔法がかけられています。その主な目的は、選手をから叩き落とし、試合を妨害することにあります。

七冊の原作小説ではブラッジャーの起源について詳しく語られていません。しかし、関連書籍である『クィディッチ今昔』によれば、その原型は魔法をかけられた飛行する岩、「ブラッドサースティー・ボールダー(血に飢えた巨石)」であったとされています。(クィディッチ今昔

  • これらの岩は、当時のビーターが使っていた魔法で強化されたバットで叩くと砕けてしまうという欠点がありました。そのため、より耐久性のある鉛製のボールへと改良され、最終的に現在の鉄製のブラッジャーが標準となりました。(クィディッチ今昔

ブラッジャーは、クィディッチというスポーツに内在する暴力性と物理的な危険を象徴する重要な要素です。試合の流れを左右するだけでなく、キャラクターの能力や物語の展開を描写するための小道具としても機能します。

「Bludger」という名前は、英語の動詞「bludgeon」(重いもので殴る、打ちのめす)に由来すると考えられています。これは、選手をから叩き落とすというブラッジャーの機能を的確に表しています。

映画版では、CG技術を駆使してブラッジャーの猛烈なスピードと破壊力が視覚的に強調されています。特に、ブラッジャーが空中を切り裂く音や、スタジアムの木製の梁を砕く描写は、その危険性を観客に強く印象付けています。(映画設定)