マーミッシュ (Mermish)

マーミッシュ (Mermish) は、人魚セルキーセイレーンといった水中で生活する魔法生物たちが使用する言語です。地上では耳障りな金切り声のように聞こえますが、水中では意味の通る言語として機能します。 アルバス・ダンブルドアはマーミッシュを流暢に話すことができる数少ない人間の一人として知られています。

マーミッシュの最も顕著な特徴は、それが聞かれる環境によって大きく異なる点です。

  • 水上での音声: 水上や空気中では、マーミッシュは意味をなさない叫び声や、黒板を引っ掻くような不快な騒音として聞こえます。ハリー・ポッター三大魔法学校対抗試合の課題で金色の卵のヒントを初めて聞いた際、それは「理解不能な金切り声のコーラス」のようでした。
  • 水中での音声: 水中で聞くと、マーミッシュは完全に理解可能な言語となります。ハリーは監督生用のバスルームで卵を水に浸した際に、初めてその意味を理解しました。その歌声は少しざらついてはいるものの、明瞭な言葉として聞き取ることができました。
  • 話者: 人間の中でマーミッシュを理解し、話すことができる者は極めて稀です。アルバス・ダンブルドアはその能力を公言しており、実際に黒い湖人魚の長であるマーカスと会話しています。また、バーテミウス・クラウチ・シニアもこの言語を話せると述べています。

マーミッシュは物語、特に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』において重要な役割を果たします。

  • 三大魔法学校対抗試合: 第二の課題の核心的なヒントが、マーミッシュで歌われた歌として金色の卵に隠されていました。挑戦者は卵を水中に沈めることで、課題の内容(黒い湖から「大切な人」を1時間以内に救出すること)を理解する必要がありました。
  • ダンブルドアの葬儀: 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の終盤、ダンブルドアの葬儀の場面で、黒い湖人魚たちが追悼の意を表して水面からマーミッシュの歌を捧げました。地上にいた参列者たちには「荒々しく、不気味で、この世のものならぬ言葉」と聞こえましたが、それは彼らの悲しみと敬意の表現でした。

作中で唯一完全に内容が明かされたマーミッシュのテキストは、金色の卵に込められていた歌です。 「我らの声を聞くところに来るがいい、\ 地上では我らは歌わぬゆえに。\ 探す間によく考えよ。\ 汝が最も惜しむものを我らは奪った。\ \ 探す時間は一時間、\ 奪い返すのもその間。\ 一時間を過ぎれば望みは絶え、\ 手遅れとなり、永久に戻らぬ」

  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、水中でのマーミッシュの歌は、原作のように明瞭な言葉としてではなく、より幽玄でメロディックな音として表現されています。(映画設定)