セルキー
基本情報
- 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): XXXX (危険、専門知識が必要、熟練した魔法使いなら対処可能)
- 原産地 (Native to): スコットランド
- 生息地 (Habitat): 淡水の湖
- 外見 (Appearance): 灰色がかった肌、緑がかった長い髪、黄色い目、魚の尾を持つ人型の生物
概要と生態
セルキーは、スコットランド原産の人魚の一種です。ホグワーツ城の黒い湖に生息している種族が、このセルキーにあたります。 彼らの外見は、伝統的な物語で描かれる美しい人魚とは大きく異なり、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では灰色がかった肌、ボサボサの濃い緑色の髪、黄色い目、ところどころ黒く欠けた歯を持つと描写されています。腰から下は大きな銀色の魚の尾になっています。 セルキーは高度な社会を形成しており、湖の底に粗雑な石造りの住居からなる村を築いて暮らしています。彼らは独自の言語であるマーミッシュを話し、部族長(作中ではマーカスという名の女族長が登場)によって統率されています。知性や言語を持つにもかかわらず、彼らは自らの意思で「準人間」ではなく「動物」のカテゴリーに分類されることを望んでいます。そのため、魔法省による分類はXXXX、すなわち「危険」とされていますが、これは彼らの攻撃性というよりは、彼らとの意思疎通の難しさと、敬意を払うべき存在であることを示唆しています。 彼らはグラインドーのような他の水中生物を飼いならすことがあると言われています。
作中での役割
セルキーが物語で最も重要な役割を果たすのは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』における三校対抗試合の第二の課題です。 この課題では、ハリー・ポッター、セドリック・ディゴリー、フラー・デラクール、ビクトール・クラムの四人の代表選手が、セルキーの村に捕らわれた大切な人々(それぞれロン・ウィーズリー、チョウ・チャン、ガブリエル・デラクール、ハーマイオニー・グレンジャー)を救出するために黒い湖の底へ向かいました。セルキーたちは槍で武装し、人質たちの見張りを務めました。 彼らは当初、課題のルールに厳格に従い、ハリーが自分の人質であるロン以外を助けようとするのを妨害しました。しかし、最終的にアルバス・ダンブルドアが女族長のマーカスとマーミッシュで対話し、ハリーが示した「道徳的な強さ」を評価したことで、課題の採点においてハリーは高く評価されました。この出来事は、セルキーが野蛮なだけの存在ではなく、独自の掟と倫理観を持つ知的生命体であることを示しています。
名前の由来
「セルキー (Selkie)」という名前は、スコットランドやアイルランドの神話に登場する、アザラシの皮を脱ぐと人間の姿になることができる神話上の生き物に由来します。ハリー・ポッターの世界のセルキーは、このような変身能力を持つとは描写されていませんが、その名前はスコットランドの水の神話との深いつながりを示唆しています。
幕後情報
- ホグワーツの黒い湖に住む人魚がセルキーであるという明確な記述は、小説本編ではなく、副読本の『幻の動物とその生息地』でなされています。同書では、世界各地に様々な種類の人魚が存在し、スコットランドのセルキー、アイルランドのメロウ、ギリシャのセイレーンなどが紹介されています。
- 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、セルキーはより獰猛で怪物的な姿で描かれ、ハリーに対して非常に攻撃的でした。これは原作の描写よりも彼らの危険性を強調した演出です。(映画設定)