ローズウッドの杖 (Rosewood Wand)
基本情報
- タイプ: 杖の木材
- 所有者: フラー・デラクール (著名な所有者)
- 製造者: ギャリック・オリバンダー (フラーの杖の販売者として知られる)
説明と外観
ローズウッドは、杖の材料として使用される木材の一種です。物語で具体的に描写されたローズウッド製の杖は、フラー・デラクールが所有する一本のみです。 彼女の杖は、1994年の三校対抗試合に先立って行われた杖の検査の際に、ギャリック・オリバンダーによって鑑定されました。その際、長さは9インチ半 (約24cm)で、「しなりのない (inflexible)」性質を持つと説明されています。杖の芯には、フラー自身の祖母であるビーラの髪が一本使われています。オリバンダーはこの芯材について、非常に「気難しい」性質を生み出すと評しました。
魔法の特性と用途
ローズウッドという木材自体が持つ魔法の特性に関する詳細な情報は、主に公式サイト Pottermore で明らかにされています。
- 愛と美の象徴: ローズウッドの杖は、所有者に幸運な恋愛をもたらすとされています。その持ち手は、しばしば際立った美男美女であると言われています。この特性は、ビーラの血を引くフラー・デラクールの人物像と見事に一致します。(Pottermore)
- 強い道徳観: この杖は、気弱な者や信念のない者ではなく、強い道徳観を持つ魔法使いに最もよく応えます。見かけによらず、実践的な魔法に優れ、持ち主をしっかりと守護します。(Pottermore)
- 忠誠心と気性: 芯材にビーラの髪が使われているフラーの杖のように、気難しい性質を持つことがありますが、一度ふさわしい持ち主を見つけると、非常に強い忠誠心を示します。(Pottermore)
物語における役割
ローズウッドの杖は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で初めて登場します。ホグワーツで開催された三校対抗試合の代表選手に選ばれたフラー・デラクールが、試合前の杖の検査で自身の杖を提示しました。この出来事を通して、読者は杖の材質や芯材が多様であり、それぞれの杖が独自の個性を持つことを知ります。 フラーはこの杖を使い、第一の課題でドラゴンと戦い、第三の課題では迷路に挑みました。その後も彼女の主要な杖として、第二次魔法戦争においても使用されたと考えられます。彼女は七人のポッターの戦いやホグワーツの戦いに参加しており、このローズウッドの杖が彼女と共にあったことは間違いありません。
幕後情報
- ローズウッドの特性に関する詳細な情報の多くは、J.K.ローリングのウェブサイト「Pottermore」(現在の Wizarding World)で明らかにされました。
- フランス語でローズウッドは bois de rose と呼ばれます。これは、フランスのボーバトン魔法アカデミー出身であるフラー・デラクールとの関連性を強調する、意図的な設定である可能性があります。(Pottermore)